TTワークショップは、TT研究集会の開催目的である・・・
「研究集会は、トレーニングチーム員の精神、意識、技能及び基準・標準、訓練の
意図・目標・方法・手続き等の理解・周知を図り、共通理解を図りながら自己研
修・研究を推進・発表伝達、情報収集し、トレーニングチーム員が資質の向上の
ために必要な集会として実施している」
の下線部分を特に行うための、TT規定第17条の2に示されるTT研究集会の1つの形です。
●開催時期と期間
・開催時期は、3月の第2土曜日と翌日の日曜日の1泊2日。
・宿泊型の研究集会です。
●参加者と傍聴
・ワークショップの参加者は、トレーニングチーム員とコミッショナーです。
・また、通常のTT研究会とは異なり、一般の指導者、役員等の方々の傍聴が可能です。
ただし傍聴できる時間には制限があります。
● TTワークショップ位置づけ
「ワークショップ」は、単なる自己研修の発表会ではありません。
トレーニングチーム員が、1年間かけて取り組んできた研究について、発表し、また評価を受ける場でもあります。
そのポイントは4つあります。
●トレーニングチーム員としての意識の醸成 と姿勢
★まずは、日連トレーナーに対しては、
トレーナーは、県連盟コミッショナーからの声かけこそありますが、最終的には自らの
意志で養成コースに参加します。しかしながらその高額の参加費を負担するのは加盟員が
納めている県連のお金であり、更には、県コミや先輩トレーナーの大きな支援を受けて、
養成コースを修了して、県連の大きな期待を得て日連トレーナーとなっているのです。
つまり、日連トレーナーには、県連の指導者養成&トレーニングに寄与しなければなら
ない責務があるわけです。
言い換えれば、自己研修で自分で自由に設定テーマは、きちんと県連の指導者育成(研
修)に役立てられるものになっているか・・・という視点での検証があり厳しい評価がな
されます。それに対峙できるだけの実力を付け、高い意識や姿勢や態度でもって臨まなけ
ればなりません。
★県連トレーニングチーム員に関しては、
全てのトレーニングチーム員の前で自己研修の発表を行うことは、相当のプレッシャー
がかかることです。つまり、厚顔無恥でない限り、生半可な内容の自己研修&発表はでき
ないということになります。つまり、トレーニングチーム員という意識と気概・誇りの醸
成の場でもあります。
★このように、ワークショップは、通常の指導者研修以上に、トレーニングチーム・トレー
ナーにとっては「決戦の場」に自分を曝す厳しい場であるわけです。万全の体制でもって
そこに臨むコトが求められています。
●インストラクション技法の成果を示す
2つ目は、各トレーナーがこれまで培ってきたインストラクション(教え方)技法の成果発
表の場であるということ。
つまり、どれだけ上手にプレゼンテーションができるのか、それを他のトレーニングチーム
やコミッショナー、トレーナーに検証・評価してもらう場であること。
ポイントは
・相手が引き込まれる、魅き込むだけの話術なりトークなのか。
・PPTの内容は適切か(字数、レイアウト、フォント)
・相手にちゃんと伝わっているか(相手が理解できる言葉・内容か)
・相手が、納得できる内容になっているか(根拠が明確か)
など、受講する相手に基づいた(寄り添った)プレゼンになっているかが評価されます。
●トレーニングチーム員としての態度
3つ目は、態度です。
そもそもトレーニングチーム員においては、TT規定の第10条第5項「資質」において
(5)資質:
ア)本運動の目的・理念を正しく理解し受容していること。
イ)指導者訓練に携わるにふさわしい品性をもち、社会的な信用を得ていること。
ウ)地域(隊や団、地区を含む)において円滑な人間関係を保持し、自己の役割分
担を確実に達成できる能力と意欲があること。
エ)本運動の向上と充実に向けて、指導者訓練を中心に意欲的かつ継続的に取り組
む意志があること。
を満たしたからこそ選任・任命されているわけです。それだけではなく、ありとあらゆる場で
それが表れていることが望まれます。特にトレーニングチーム員としての「信頼」の獲得は必
須です。(信頼を得るためのその背景としての努力も)
プレゼンにおいて「信頼」感があるのか、質疑応答において、そこで出た質問に対して、ど
のように回答するのか。その場で答えられないことに対して、どのように対処するのか、つま
りトレーナーとしての意識と姿勢と態度という基盤とどれだけ深く研究したかから来る自信を
確認する場でもあります。
また、プレゼン時の「基本動作」ができているかも見ていきます。特に「アイコンタクト」
に重要性に鑑み、そこに重点を置いて見ていきます。
●そこはワークショップであるということ
そして、最後は「ワークショップ」であるということです。
巷には、いろいろなタイプのワークショップがありますが、ワークショップはセッションで
もレクチャーでもプレゼンでもありません。
そこは「聞き手・学び手」も参画する学習の場であるのです。一方的に話すのではなく、相
手の参画を得ながら、相手も一緒になって理解を深め、成長していくという方法で30分を進
めているのか・・・というワークショップとしてのポイントを押さえているか、つまり、ワー
クショップという意味が理解されているかを確認します。
この、ワークショップの技法こそ、ボーイスカウトの研修において必要なものであります。
● TTワークショップの展開
TTワークショップは、指導者研修に対する研究の成果発表の場です。そのため、
「指導者研修をより○○にするためには」
をテーマとした「ワークショップ」にします。
この「○○」に入れる言葉は、各自の研究テーマに基づいて設定します。
一例を挙げると、
「私は、より○○な研修を行うために、このような研究をしたので発表すると共に、提案
をしたいと思います。
それは○○○○○○です。
そのためにこの1年間、このような自己研修をしてきました」
(ここで自己研修の内容を発表する)
次に、皆さん。この部分は指導者研修においてたいへん役に立つと思うので、みなさん
で一緒にやってみましょう」
(・・・と、体験してもらう)
では、隣の人とペアになって、『こんな点が指導者研修に使える』『このようにした
ら、効果的だ』という観点で話し合ってください。
(ペアでリビジットさせるが、ここでは、その刈り取りはしない)
では、まとめます。
この研究は、「○○をこうしたらどうなるか」というものでした。
その研究の結果として、こうすれば○○な効果が期待できる研修になるのかと思ったの
で、皆さんにちょっと体験してもらいました。いかがだったでしよう。
このように、私は、このような点を、このような方法で展開することによって、それが
スカウト達の成長への大きな効果に繋がると思っています。
皆さんに、ぜひご活用していただけると幸いです。」
このような感じで30分の発表を進めます。
次の10分間の質疑の時間には、
ペアで話し合ったコトからくる同調や疑問などの評価の時間とします。
自己研修の内容によっては、このやり方にそぐわない人も当然いるでしょう。
ですが、自己研修の目的は「より良い研修を行う」ためであり、そのために自分の知見を高めてきたわけですから何とかこじつけても、この方向で行けるでしょう。