●スクラップ・ブック
カブたちは,スクラップ・ブックを作っていなければなりません。絵だの写真だの、また新聞からの切り抜きをすることはとても面白いものですね。これらのものを全部,整理して貼り付けます。この貼り付けた本は何年かたった後,持主にとって素晴らしい興味となることは疑いありません。
私は,一生涯スクラップ・ブックを作り続けたから良くわかるのですが,これは,ただ面白いだけでなく,永い年月に起きた様々のことがらを思いおこすときに役立つことがたびたびあります。
私の本は,私の父と母の写真に始まり,その次に私がまだ3才のときに描いた絵があるのですよ! 絵のできぐあいが問題ではなくて,そんな小さい子供の時,絵を描こうとしたこと,それを見るのが愉快なのです!
しかし面白さの中のいくらかは,そのスクラップ・ブックを美しく製本することと,本の中にいろいろの者を挿し入れることにあります。本をきれいに美しくきちんとすることは,美術というべきものです。私はこうしたやりかたでこの作業をや始めたのです。
できれば,ボール紙のアルバムを作ります。その訳は,本の中に挿し入れた物によって,平たい絵薄い紙が膨れあがるからです。しかし,どんな本でも作らないよりは良いこともちろんです。
一番良いのは,役12インチと8インチ大のアルバムを作ることです。それより小さいと,直ぐいっぱいになるし,また大きい写真を入れたいことがしばしばあるからです。
表紙には,君の名前とその本を作りはじめた日付を書きます。始める日は,その年の始め,または君の誕生日が,まず一般に良いようです。そうするならば,私がしたように,毎年一冊ずつの本ができます。あるいは,君の一生を完全に二部にして残します。
たとえば,君が在学中であるならば,学校の絵を貼る本を一つ作ります。それには学友だちやスポーツや音楽会などのプログラムを貼りつけます。・・・・君が大人になった時,それを見たらとても懐かしいでしょう。もう一つの本は,言うまでもなく君の家庭生活と休暇のことをはった第2巻です。
けれども,スクラップ・ブックを作るということは,むろん余計な仕事になりますから,そのために,カブの他の作業やゲームの妨げになってはいけません。ですから,始終貼りつけるノリや紙ぎれを切ることばかりで遊んではならないし,また部屋の中を散らかすこともよくありません。
> これを防ぐ一番よい考えは(私の発見ですが)かなり大きい封筒を探してきて,その中にこれはとっておこうと思うようなものを,全部入れておくのです。
キャンプでのスカウトの絵だの新聞にあった面白い歌だの,いろいろな写真などを,こまめに集めておいて,雨の日の暇な時間に分頚する用意をしておきます。
自分で写した写真があるならば,これはもちろんとっておくものとしては申し分ありません。けれども,お金がかかりますね。そこでいちばんよい方法は,なんでもみんな自分の手で絵に描いて本に入れることです。
君がもし,絵が上手でこれができるならば,たぶん君はテストを受けに行き,そして美術章を取ることができるでしょう。いよいよ「切り抜き」をその本に貼ることになると,ノリがほしくなりますね。これは麦粉や澱粉から,たやすく作れます。作り方は次のようにします。
麦粉(または澱粉の塊)を茶さじに一杯半ほどすくい小さい鉢に入れます。そして冷水を少々注ぎ,薄い粘っこいノリのようにこねるのです。次に熱い湯を注いでこねまわす。だんだん濃くなって青みがかったノリになるまでこねる。このとき腐るのを防ぐため,少々チョウジ(丁子)を入れるのを忘れないでください。
この他,ノリの刷毛とハサミが一つと紙屑を入れるカゴのようなもの(紙の切り屑や裁ち屑で部屋の中が汚れないため)と,絵の下に名前や日付を書き記すための鉛筆(および古新聞紙がいります。
古新聞紙というものは,私も使ってみて大変便利だと思いましたので君たちに勧めるのです。新聞紙の上に写真を裏向けにして置き,その裏側にノリを一面に塗り,その端や角にもよくノリを付けて,それからアルバムのほどよい位置に貼りつけるのです。今ノリを付けた部分の新聞は,まだ粘っていますから,その新聞を二つに折れば,新しい「ノリ付け場」が得られます。
写真は,しばしば周りの縁が黒ずんでいます。これは縁を切り捨てるときれいに見えます。四隅をハサミで切りとるとこれまたこぎれいにみえます。
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●ウルフ・カブのバンド(音楽隊)
オオカミの群れは,ジャングルの中を駆け回るとき,彼らが音楽と呼ぶところの叫び声を出します。別に誰もこれを音楽と呼んではいないけれども,オオカミたちを慰めたり愉快にさせるわけです。
我々カブの隊でも,バンドを作って音楽をやってもよいわけです。音楽隊というても,これはトランペットだの飾りのいっぱいついたドラムだの,そういうお金のかかるバンドを言うのではありません。それに負けないくらい上等の音楽ができ,しかも,お金のいらないバンドのことであります。
もちろんバンドという以上,まず第1に大太鼓がいります。だけど,これはビスケットの古箱かまたは石油かんで,それに太鼓のバチがいります。バチは肉屋で脛の骨を貰ってくるか,または先のところをボロ布で巻いた丈夫な棒でできます。
シンバルは? ええこれはね,できあいのものがありますよ。台所へ行ってソースパンの蓋を二枚持ってくればよろしい(お母さんの許しがあれば)。
トライアングルは? もちろんトライアングルがいりますね。その辺に,ちょうど手頃な大きさのがあるじゃないですか・・・・火箸を二本ね。ひもを穴に通し,大きなドアーのカギをつけてならすのです。
トランペットやフルート,それに,ファイフのような吹く楽器は皆、演奏者が自分のロでやるのです。
君らは,口笛でもハミングでも,お皿をあてて節をつけてもできますよ。けれどもうすい紙切れでまいた櫛を通して,ブーブーやると一層良い音が出ます。
ショーの場合,コンダクターになる人が何といっても重要人物になります。動作がうまければ立派なコンダクターとして光ります。
けれども,よほど用心深くやらないと,このバンドはバカげて見えます。やる時ややり方をよく考えなさい。
君たちは騒がしい音でなく,よい音楽をやりたいならばきっとできます。時々柔らかに静かにハミングで歌うと思うと,今度は声高らかに大合唱をやったりして,たいそう上手に聞こえるような自信がつきます。
私は,かってドラムとファイフをやりました,とても上手いバンドを聞いたことがありましたが,それは,たくさんの少年が石油缶を叩き,口笛で高らかに曲を吹いたもので,その効果は大通りを行進しているように響き素晴らしいものでした。
家族バンドは,第1と第2の櫛と,火箸と一対のブリキの湯のみと,ソースパンの蓋と,ビスケットの缶ンと,お茶盆とで組みます。
ドラムの音を消す効果のためには,お茶盆をバナナで叩くのが一番合理的です。
(訳者記,カナダ本は,この次に英国々歌やGOD SAVE THE QUEENの歌詞が載っている。)
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