日本ボーイスカウト茨城県連盟
 Top   最新情報   県連情報   ボーイスカウト案内   ハウディスカウト   リーダーズクラブ   資料センター   その他
IB TOWN (リーダーズクラブ)
 ビジターセンター
IB SCOUT SHOP
 IB ラヂオステーション  DL's Cafe  IB Scout Shop

指導者の皆さんこんにちは。IB SCOUT SHOP にご来店いただきましてありがとうございます。ここでは、スカウト活動に必要な品々について、何を基準に選んだらいいのか、どこに着目して選んだらいいのか、についてお話ししていきましょう。ぜひスカウトに良いアドバイスをしてください。

 ▶運ぶ  ▶寝る
 ▶着る  ▶基本
 ▶食べる  ▶その他

野営グッズの選び方 (基本編)

 

 最近、スカウトや保護者から「どんなキャンプ用品を選んでいいのか教えてほしい」という問い合わせが多く寄せられています。

 

 キャンプ用品(「野営グッズ」とここでは言います)は、どんなキャンプをするのか(例えば、カブのキャンプ、ボーイの野営、ベンチャーの移動キャンプ等)やどこでするのか(キャンプ場かそれ以外か、山か海か等)、移動方法は何か(車、公共交通機関、徒歩、それらの組み合わせ等)、また、いつの季節に行うか(春夏秋冬)によって、求める機能が異なります。

 基本的には、「軽量」「高機能」「コンパクト」「信頼性」の4つを満たしたものを選ぶことが必要となります。

 1泊程度のキャンプであれば、ちょっとくらいの不都合は我慢すればすんでしまいます。しかし2泊以上、特に長期キャンプ、移動キャンプ、雪山キャンプ等キャンプの難易度が高くなればなるほど、きちんと要求する性能を満たしたものを揃えないと、時には命の危険に遭遇する場合があります。

 

 

 ここでは、ボーイ隊の低山での夏季キャンプ(2〜3泊程度)を想定した、野営グッズの選び方を解説をします・・・が、あくまでも一般論です。

 

 まず、スカウトキャンプに必要な個人装備を選ぶ上で大切なポイントは、「軽量」「コンパクト」「機能性」「信頼性」の4つです。キャンプの楽しさは、この4原則に左右されると言っても過言ではありません。

 

 特に軽さは重要です。装備品は軽ければ軽いほどいいのです。野外で生活するための全てを自分で背負わなければならないのだから当然ですね。荷物が軽ければ行動することが楽になります。行動が楽になれば疲労も少ない。そして、疲労が少なければ、水や食料などの量も違ってくる・・・というふうに、重量はアウトドアのあらゆる面でキーポイントとなってきます。

 もちろん軽いことだけが購入に当たっての判断基準にはなりません。軽くてもかさばるものは、パッキングする時に困るし、必要な機能が軽量化のために疎かになっていてもいけません。ソロの移動キャンプや登山では、頼れるのは道具と自分だけなのですから、信頼性も重視すべきです。つまり「軽量」「コンパクト」「機能性」「信頼性」というチェックポイントを総合的に鑑みて装備を選び出すことが大切なのです。

 

 また、誰しもが、ついこう考えてしまいます

「アウトドアではどんなことが起きるかわからない。だから、もしもの時のためのものを持って行きたい。使うかもしれないものも持って行きたい。それはボーイスカウトのモットーは 『そなえよつねに』 だもんな~!」と。

 

 確かに予期しないことに備えるのは大切です。しかしながら「もしも」とか「かもしれない」という言葉がつく装備品は、意外と使う機会が無いことが多いのです。こういう装備品は、ただ安心するために持って行くという意味合いが強いんですね。初心者であるとか、初めての場所に出かける時などに起こる、多分に心理的なことなのです。

 身の回りのものを、あれもこれもと欲張って持って行こうとするとキリがありません。もし、足りないモノがあれば、いまあるものをうまく使って間に合わせましょう。これはスカウティングの基本的な考え方となります(創意工夫* 次の章「スカウティングとしてのモノに対する考え方」参照)。

 そして、持って行くか行かないかの判断する基準は「使う、使わない」ではなく、そのものが「どれくらい使うのか」という使用頻度で選ぶことが大切なのです。

 

 スカウトであれば、その装備品に求められる「本質」を確実に掴むと同時に、観察と推理と創意工夫、そして知恵と技能で「もしも」の場合に備えるべく「準備」することが大切です。  それぞれの装備に求める細かな性能は、指導者の皆さんが受講する「野営法研究会」で説明するとして、ここでは、ごく基本的な選ぶポイントをお伝えします。

 

────────────────────────────

 

 さて、これらのグッズですが、制服以外は、ボーイスカウトのスカウト用品部(エンタープライズ)の商品である必要はありません。ただし、スカウト用品カタログに掲載されているものは、それなりの根拠があって選ばれているモノでもあります(・・・多分に担当者の好みであるようにも。笑)。

  正直なところ、世の中には安価でいい物がたくさんあります。ですが、ディスカウント店の聞いたことのないメーカーの安物には飛びつかないでください。まだまだ、安かろう悪かろうの粗悪商品がたくさんありますし、ボーイスカウトの使用目的・方法にそぐわないモノ、信頼性に疑問があるモノもたくさん出回っています。

 スカウトの活動に使うグッズは決して安いモノではありませんが、いざというときに自分の命を守ってくれるモノであるということも理解してください。

  ですから、我々指導者がキャンプ用品を選んで、それを指示・紹介するということは、「安全」を確保するという大切な行為でもあるのです。

 

  また、選ぶ際のポイントは、「軽量」「コンパクト」「機能性」「信頼性」の4つであることは、前に言ったた通りです。 ホームセンター等には、多くのアウトドア商品がおいてあります。コールマンやスノーピーク、ロゴス等の有名ブランド品もあり、つい「これでいいかなぁ」となってしまいがちです。

 しかしながら、それらは基本的にファミリーキャンプ用であることを知っておいてください。それらは「車」で運搬することを前提に作られていることを。 スカウト活動も、実際は「車」で荷物を搬送することが多くなってきてはいますが、ジャンボリー等では炎天下の中、延々と歩いてサイトまで行かなくてはなりません。ベンチャーやローバーになったら、すべての装備を背負って、徒歩で目的地を目指すこともあります。つまり「山」に行くのと同じだと思ってください。となると「山」的視点で作られた野営グッズを選択するのがいいでしょう。モンベル、ノースフェイスなどがあります(前出のコールマンやスノーピーク、ロゴスなどにも、もちろんいいものはあります。確かな選定眼が必要ですね。)

  良い野営グッズは高価です。高価ですが、それなりの価値がありますし、長期間の使用に耐え得るものでもあります。震災などいざというときにも安心して使えます。この信頼性は何ものにも換えられません。それは素晴らしい野営生活を送れるということでもあるのです。

 

 私どものショップで取り扱う商品は、数あるモノの中でも、基本性能が高く、かつより安価なモノを揃えています。

スカウティングとしてのモノに対する考え方

 

創意と工夫それがボーイスカウトの真骨頂

 

 ここで、モノを買うことを取り上げているので、つい「買う」ことにばかり目を向けてしまいますが、ボーイスカウトの本来の在り方は「スカウトは質素である」の通り、あるモノを大切に使う、ないものは創意工夫して作ったり、利用する・・・です。

 キャンプ生活に必要な最小限のものは購入することになりますが、そうでないものについては、家にあるモノを利用したり、今持っているモノを別の用途で使用したり、班で共用できるモノは共用し、全体の重量と嵩を減らすことも考える必要があります。

 

 創意工夫といえば、10年程前、WB研修所が流れて突然スケジュールが空いてしまったので、全くの無計画で本州の最北端に行くぞ!と「青森ホタテツアー」を決行したことがありました。青森の尻屋崎で昼食をと途中のスーパーで弁当とデザートのヨーグルトを買いました。岬に着いて昼食を済まし、いざヨーグルトを食べようとしたらスプーンがありません。もらうのを忘れてしまったようです。突然決まったツアーなので、いろいろなモノを持ってくるのを忘れてしまいました。スプーンがないときに、よくやる方法としてはヨーグルトのアルミのフタを使って食べるってのもありますが、やはりなんか貧相くさいので、どうしたものかと‥‥。そこで閃めいたのがペットボトルをナイフで切ってスプーンを作ることです。以外と簡単にできました。同行の侶からは「おぉ!」「なんと!」とお褒めのお言葉が。嬉しかったですね。

 また、茨城のオーストラリア派遣のときは、毎朝淹れたてのコーヒーを飲みたいということで、日本からわざわざユニフレームのワイヤードリッパーとドリップペーパーを持って行きました。前半の野営地のキャンベラのコターマウスキャンプ場でモーニング珈琲を満喫したのですが、後半のシドニー・ペナントヒルズのB-Pセンターに移動する時にそれを忘れてきてしまったのです。何とかあるものでドリッパーを作ろうとしました。2リットルのコーラのペットボトルの上半分を切ってジョウゴの様にして、細い棒でコーヒーの流れる隙間を作るなど考えられる工夫をして、いざペーパーをセットし、挽いたコーヒーを入れてお湯を注いだら、ペットボトルが熱であっという間に縮んで歪んでコーヒーの粉が溢れてしまいました。しかたないので、やりたくはなかったんですがバンダナをフィルター代わりに使って何とかコーヒーを飲むことができました。めでたしめでたし‥‥。

 と、そこにやってきた堀江派遣団長が一言

  「ん、ドリッパー? あそこのスーパーで売っていたぞ」

だとさ(-_-;)。

 

 このどちらもハサミ付きのナイフ(ビクトリノックスのツールナイフ)が役立ちました。この派遣で使用したツールは、ナイフ、ハサミ、ノコギリ、リーマー、小−ドライバーだったと思います。それぞれ個別に持って行くよりも、オールインワンのこのツールナイフの方が、重さも嵩(容積)もずっと少なくて済みます。その分多少の使い勝手の悪さは我慢しなければなりませんが。

 

 よく、WB実修所などでは、STA(Spare Time Activity=閑時作業)でナイフで木を削ってチーフリングやスプーン、時にはカップを作ることがあります(今はやらないか‥‥)。この作業は、目的をもった時間の有効活用もありますが、指導者としてナイフを自由自在に使いこなすための第一歩でもあるんです。ただ「創意工夫」とお題目のように唱えても案は浮かんできません。「笑点」という番組の大喜利で噺家さんが、あるお題に対してすぐに答えを考えつくのは、噺に取り入れるために常日頃から日常のいろいろな情報を連結させ、整理して貯めることを繰り返しているからだそうです。創意工夫も同じです。

 

 また、最近はよほどの秘境と呼ばれるトコロに行かない限り何かしらのお店があって、それなりのものは手に入るようになりました。ただ、モノを壊してしまって修理をするはときは別です。これもオーストラリア派遣の時のことです。地元スカウトとの交流や観光はオーガナイザーがいるので、それなりに問題なく進めることができました。しかし、自分達だけのフリーになった場合、まず言葉の壁、そして文化の壁があって必要とするモノがどこに行けばあるのかすら解りませんでした。車もありませんから、移動は徒歩圏内に限らてしまいます。そんな時たまたま参加したスカウトが、眼鏡のテンプルの蝶番を壊してしまったんです。次の地への移動のため店を探して修理することもできなかったので、持っていたマルチツール(ガーバー製)と細い針金で取りあえず使えるようにました。たったこの2つのギアがあったことで、そのスカウトはその後の5日間をそれで過ごし日本に帰るまでその状態で使っていました。

 

 このように、いろいろなものを持って行くと、たまに役立つときがあるんです。なので、スカウトは持って行かないとしても、指導者であれば、隊キャンプの際は、最低限のサバイバル?いや、リペアキットを持って行くことを心がけていただきたいと思います。

 何かあったときに、さっとそれを取り出して、パパッと直してしまう。するとスカウトの眼はもう「キラキラ」&「おぉっ!」ですよ。あこがれ&尊敬の眼差しですね。