日本ボーイスカウト茨城県連盟
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IB TOWN (リーダーズクラブ)

野営グッズの選び方 (運ぶ)

 

 

 ここでは、野営グッズを運ぶ「パック」、そして人が移動するための最も大切な道具である「靴」について説明しましょう。

 

  パック(ザック、リュックサック・・・)

 

 呼び名は違っても、背負った袋にいれて運ぶためのもの・・・という機能面では、基本的に同じものです。ここでは固有名詞(商品名)以外は総称して「パック」と呼ぶことにします。

 

 昭和40年代までは、ボーイスカウトのキャンプといえば「キスリング」に全てのものを入れて背負って出かけたものです。その後フレームパックが一時現れましたが、今やその姿は全く見られなくなりました。キスリングは安くで丈夫だったのですが、荷物を背負って行動することを人間工学的に計算したものではなかったからでしょう。

 現在では、「肩」「背中」「腰」の3点で支持するパックがほとんどとなっています。ショルダーストラップも人間工学的に立体的に裁断されており、身体への負担が軽くなっています。

 

  ボーイ隊以上は、長期キャンプや移動キャンプをするため、縦長のタイプのパックを奨めています。しかし、トップローディング(上からものを出し入れする)タイプは使用勝手は今イチです。最近は下部やサイドからも荷物が取り出せるタイプのも出てきました。これだったら勧めます。

 また、3ウェイパックと呼ばれる「背負う」「持つ」「肩から下げる」ことができ開口部が広いものも多数発売されています。これの方がテントの中では使い易いですね(あくまでもテントの中で・・・の話です)。移動することを考えて身体にフィットできる構造のものであれば、こちらもいいです。更に、3ウェイパックにローラーが付いているモノも出ています。山登り等の縦方向ではなく、平地での横方向の移動であれば、結構便利ですよ。ただし、これを買う場合は、ハードシェルではなくソフトシェル(ペチャンコにつぶれる)もので、キャスター(車輪)が大き目のモノにしましょう。ただし、狭いテントでは結構ジャマになりますしキャスターが小さいと、ゴミや泥が詰まったり、土にメリ込んだりします。概して重く、背負うための機能は優れていないデメリットもあります。

 

●選ぶポイント

 キャンプ用のパックを買うに当たってのポイントは、「体にフィットすること」「軽いこと」「丈夫なこと」「ポケットが適度にあること」「中のものを取り出しやすいこと」です。

 

▶容量(中に入れられる量)

 ボーイスカウトのキャンプシーンで見て見ると、必要な容量は、テントを持って移動しないキャンプで、40~50リットルが必要です。また、テントを担いで移動する場合は、その行程によっても異なりますが、だいたい、60~90リットルは必要となります。

 最近のボーイ隊のキャンプを見ていると、 簡単な遠足パックにハバザック、そして両手に手提げ袋・・・・でキャンプに来るスカウトがいます。不況の世の中で、野営グッズ購入のプライオリティが低くなっているのは解りますが、BSになったならば、ちゃんとしたパックを用意するように指導してください。辛い移動は、キャンプが嫌いに、つまりボーイスカウトがイヤになる原因にもなります。

 私は、ちょっと前までは60リットルのパックを使っていましたが、今は45リットルのパックにしています。2泊程度のスカウトキャンプであれば、これで十分間に合っています。パックの容量に合ったグッズをチョイスしていますから。

 

▶サイズ(パックの背の高さ)

 これから言うパックのサイズとは、ショルダーハーネスとヒップベルトの付け根までの長さのことを指します。スカウトの身長や体型に合ったものを選ぶことが原則です。最近では、同じタイプの同じ容量のパックでも、男性用・女性用とそれぞれの体型に合わせたものがでています。

 女性用モデルは、ショルダーハーネスの取り付け位置を女性の肩幅に合わせ、胸を圧迫しないよう体のラインにフィットし、快適な装着感を実現しています。肩から胸にかけて、包み込むように密着するデザインは、荷物のぶれを防ぎ、肩に掛かる荷重を拡散してくれます。ヒップベルトには、女性のウエストからヒップのラインに合わせてカーブさせた形状を採用しています。これにより、より体に密着して荷重を分散します。
 また、多少高くなりますが、10~15cmの身長差がカバーできる調整機能のあるパックも販売されています。

 パックが「ジャストフィット」している状態とは、バックパネルとショルダーハーネスが体に隙間なく接している状態のことを言います。肩への負担が軽減され、上半身の自由度が高まると同時に、重心位置が体に近くなるので歩行時のバランスがとりやすくなります。

 パックに関しては、妥協しないでフィットするものを選んでください。

 

 ただ、ボーイ隊のスカウトでは、成長途中であるためどうしたらよいのか、という問題がでてきます。前述のアジャスタブルのパックを買うことで、一応の解決はつきます。 しかし、今後成長するから・・・ということで単に大きいパックは買ってはいけません。!!フィットしないパックを背負って歩くことは、中学生年代のスカウトにとっては(いや、誰でも)苦痛でしかありません。それを楽しめるようになるのはもう少し成長してからです。調整機能のあるパックを購入するか、今フィットするものを買って、再度成長が止まったときに新たに買い直すかです。

    >>>>>◆パックのフィッティング方法

 

▶ポケットとが適度にあると、取り出しやすい

 最近のパックは高機能になってきており、外部のいろいろなところにポケットがついています。特にボーイスカウトの活動という範囲においては、このように外側に収納できるポケットがあると便利です。また、活動によってはパックの容量が足りなくなることがあります。その場合は後付け式の「サイドポケット」などをつけることで対応します。

 ただし、パックの左右にポケットが張り出しているということは、山道を歩くときに木の枝に引っかかりやすく、また左右のバランスもとりづらくなるというデメリットもあります。

 パックの中への荷物の出し入れは、一昔前まではすべて上の口から行っていました(トップローディング)。そのため「パッキング」のテクニックが重要視されていたのです。もちろん、今でもパッキングの基本を理解しておくことは大切ですし、必要なことです。

 さて、今のパックは、その製造技術や部材の高度化などにより、パックの下部やサイドにジッパーをつけても強度が保てるようになり。そこからモノが出し入れできるようなものも多く出回っています。またパックの中を上下2つに区切ってあるもの(気室といいます)も便利です。

 

▶担げる重量

  担げる重さは、成長途上のボーイスカウトの年代では、多くても体重の1/4または10kgまで、成長してある程度身体ができたベンチャースカウトや指導者でも15~20kgと考えてください。いくら屈強な?指導者でも体重の1/3若しくは25kgが限度と言われています。

 背負うだけたならこの数値は簡単にクリアできるかもしれません。私達の活動は「背負って行動する(歩く)」のですから、できるだけ重量を軽くする工夫が大切になるのです。「基本」でも述べたように「何を持って行かないか」が必要になってくるわけです。

 

▶パック(ザック)カバー

  今のパックの素材は撥水がきいているものが多いので、ごく少量の雨くらいではザックの中に水がしみこむようなことは少なくなりました。しかし、雨はいつ何時どれだけ降ってくるかはわかりません。パックの中が濡れるということは、当然「荷物」が濡れるということですし、濡れた分だけ重量も増えてしまいます。

 特に乾燥した衣類やスリーピングバッグなどを濡らすことは、時と場合によっては「死」に繋がることもあります。

  「濡れ」を防ぐには、外と内の2方向から濡れ対策をします。パックの外からの濡れに対してはパックカバー(ザックカバー)を着けます(改めては言いませんが、パックのサイズに合ったモノを用意してください)。パックの内部では、濡らしたくないモノは防水の袋で包んでおきます(防水のスタッフバッグ(小分け袋)などを利用)。

 

▶カブ・ビーバーは

 カブやビーバーの場合、特にこのような専門的なパックを購入する必要はないと思います。キャンプの用具を、ハバザックや持っているパックにまずは入れて、スリーピングバッグなどの大きくかさばるものものは手提げ袋に入れるなどしてキャンプに出かけてもいいと思われます(ただし所属隊の指導者の指示に従ってください。)。

 これで2泊3日のキャンプ程度の荷物は収容できます。安全のために両手を空けておけとは言いますが....ほとんどの場合、持って長距離を移動することはないでしょうから。

 「自分のことを自分でする」という「カブ隊のさだめ」を実行するため、荷物を背負って、しかも両手を空けてキャンプに行く! を実践するならばこんなパックがあります。(下)

■キスリング(片桐)

■3ウェイパック

モンベル・トライパック 45

■キャスター付パック

モンベル・ウィーリーバッグ 60

■大型型パック(60L)

モンベル・アルパインパック 60S

■ハバザック

■中型パック(45L)

モンベル・チャチャパック 45

■トリプルポケットパック

 45-60 (モンベル)

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  トレッキングブーツ

 

 スポーツのシーンを見てみれば、例えばマラソンであれば「マラソンシューズ」を、バスケットであれば「バスケットシューズ」など、それぞれ専用の靴を使います。

 しかし、指導者の多くは「歩くこと」は日頃からあたりまえなので、靴についても、そんなに深く考えていない方が結構おられるようです。ですから、ハイキングやトレッキングのときに、普段履いているシューズをそのまま使っていることが多く見られます。専用の靴を履くことで、より快適に動き回ることができ、荷物を背負って歩くときに安定し、安全に繋がるなど、その性能の違いをはっきりと実感できるハズです。ハイキングやトレッキングにも専用のものを用意することで、移動がたいへん快適になるわけです。

 特に、ボーイ隊以上では、荷物を背負って距離を歩いたり、ハイキング等の活動があるため、足の保護・安全の確保の意味からも是非とも専用の靴である『トレッキングシューズ」がほしいところです。

 

 トレッキングブーツを選ぶの条件は「足にフィットして、マメができずに快適に歩くことができて、防水であり、荷物を背負うために靴底(ソール)が堅く、足首をしっかりと締めてくれる靴」・・・となります。けっこう条件が厳しいですね。

 スカウティングの活動エリアや活動内容は多種多様です。その全てを快適さ・安全性を損なうことなくカバーするできるブーツというものは残念ながらありません。ですので、ある程度の活動をカバーできて上の条件に合致するものを選ぶことになります。

 

 

●どの種類のものを選ぶか

 トレッキングブーツの形状ですが、足首を覆わない「ショートカット」、足首をすっぽり覆う「ハイカット」、そしてその中間の「ミドルカット」があります。

 荷物を背負って不整地を歩く・・・となるとのもの「ハイカット」か『ミドルカット」のものを薦めます。

 

 ハイカットは、不整地を歩くときに不用意に足をひねらないよう、足首を保護したり、小石や砂利が中に入りにくくするためです。 また、キャンプの荷物を背負って歩くということは、思った以上に足首に負担がかがっています。ちょっとした凸凹で足首を捻ってしまいがちです。ハイカットのブーツはそれを最小限に抑えてくれるのです。ミドルカットでもその効果は体感できますが、ハイカットは安心度が違います。

 また、使用目的によってソール(靴底)の堅さや、凸凹の形、溝の深さが違ってきます。基本的には、堅めの不整地用のブロックパターンのものを選びましょう。

 

●サイズは

 サイズは、自分の足に、次の3点で合っているかどうかがポイントとなります。それは「足長」「足囲」「甲高」です。

 「足長」では、ぴったりしすぎていてはダメです。足の指を伸ばした状態でつま先部分が自由に動かせる程度(約1cm程度)に余裕が必要です。ちゃんとしたアウトドアショップには足のサイズが計測できる器具がありますので、一度きちんと計ってみましょう。

 靴を選ぶときは、実際に使用する靴下(厚めのもの)を履いて、店の中を歩き回ってみましょう。アウトドア専門店には、上り下りの状態をみられる台があります。これを使って上りや下り、斜め歩きをして、あたるところがないかをチェックします。特につま先とくるぶしの当たりには注意します。

 足先の1cmの余裕は必ずとってください。昔、気に入った靴だったのですがサイズがなく、ピッタリ足にフィットした、つまり足先に余裕のない靴を買ってしまったんですが、1kmも行かないうちに激痛に襲われ動けなくなってしまったことがあります。

 

 

●選ぶときのポイント その1

 まず、使用するソックスを着用して、靴紐をゆるめた状態で履きます。足の指を伸ばしてつま先に靴の先端に触れるようにずらし、かかとに1cm程度の余裕があるのが適切なサイズです。

 次に、かかとをきっちり合わせてから、靴紐を締めます。そしてしばらく店内を歩き回ってみます。

  そのときのポイントは

  • 平地や坂を上ったときに(かかとを上げたときに)かかとが持ち上がらないか。
  • つま先の指が自由に動かせるか。
  • 履き口がフィットしているか、くるぶしやアキレス腱があたらないか。
  • 親指、小指などに圧迫感がないか。
  • 靴紐をきつめに締めて、坂を下ったときに足の指(つま先)があたらないか。
  • 全体がフィットしているか

 です。

 また、靴紐を結んでみて、両側のハトメ部分がくっつきすぎたり離れすぎたりするのは避けましょう(足囲)。人の足の形は千差万別だから、妥協せずにいいもの探したいですね。

 

●選ぶときのポイント その2

 次に、靴の材質です。

 足は歩いていると相当汗をかきます。この汗(蒸れ)が放出されないと、皮膚がやわらかくなり、しわがよって「マメ」ができる原因となります。

 そのため、防水透湿性の素材のもの(ゴアテックス等)が部分的に使われているモノを勧めます。合成皮革とゴアテックスのものは、皮革のものに比べてメンテナンスがしやすいですし、ソフトで安いです。

 

 

●選ぶときのポイント その3

 次はソール(底)の堅さと凸凹の形状です。
 トレッキングでちょっとしした階段状になった岩をのぼることがあります。そんなときに、ソールが柔らかなブーツで両足の爪先を引っかけるようにして立った場合、足首までホールドされた登山靴でも足の裏に力を入れて踏ん張らないとソールが水平に保つことができなくなり体が不安定になります。シャンクという堅い板が挟まれているようなソールが硬くて足首をガッチリホールドされたものであれれば、ソールをわずかなホールドに引っかけるだけで足によけいな負担をかけることなく安定して立つことができます。しかし、滑りやすい下り坂だと、いくに底の凸凹があっても滑ってしまったりします。今のトレッキングブーツは、いろいろな登山シーンを想定して、それにあったものが作られています。カタログやショップで聞いて、行うアクティビティに合ったものを選びましょう。

 それから、ソールの底に着いている凸凹の溝をソール・パターンといいますが、ソールの溝が深い靴は、柔らかい地質、ぬかるみ、凸凹に強く、重荷での行動でも高いグリップ力を発揮します。ソールの溝が浅いと、乾いた岩場などフラットな場所では接地面積が広い分滑りにくいのですが、濡れたりぬかるんだりするとたちまち滑ってとまいます。ソールの溝の間隔が広い靴は、溝の間にはまった泥や土のこびりつきが少なく、ぬかるみなど悪路でのグリップ力に優れるようです。ソールの先端がフラットで尖っている靴は、岩場を登るときに岩の細かな突起をつま先でホールドすることができるため、凸凹した岩稜帯などのテクニカルなコースに強い・・などの特徴があります。
 これも、メーカーによって、また使用目的によっていろいろなものが作り出されています。これもカタログやショップで聞いて、行うアクティビティに合ったものを選びましょう。

■ハイカットブーツ

■ミドルカットブーツ

■ショートカットブーツ

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  雨靴

 

 長靴のことです。ハイキングには必要ありませんが、キャンプでの作業には必要です。

 

 トレッキングシューズもある程度の防水性はありますが、完全防水ではありません。ですので極力濡らしたくないし、汚したくないので、長靴を用意することになります。WB研修所の個人装備にも必ず入っています。

 基本的には、今、持っているものでかまいません。新規に購入する場合は、靴底(ソール)がブロック状になっている滑りにくいものを購入してください。

 

 また、持ち運びを考えると、軽くて丸めら小さくなる「農業用」のものも選択肢に入りますが、荒れ地での作業は難しい(ソールが薄いため石や枝の凸がダイレクトに足の裏に伝わってきます。また、篠竹の切り株を踏むと突き抜けてしまいそうです)。まぁ、整備されたキャンプ場であれば使えます。

 雪の中のキャンプでは、温かい内張りがついていたり、口が結べるようになっていで、雪が入ってこないいものがいいですね。

■長靴

バードウォッチング長靴

グリーン(日本野鳥の会)

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