野営グッズの選び方 (寝る)
ここでは、疲労を解消し安眠を得るための「スリーピングバッグ(寝袋)」や「マット」について説明しましょう。
スリーピングバッグ(シュラフ)
スリーピングバッグとは、別名、寝袋とかシュラフと呼ばれています。
キャンプで眠ることは、身体の疲労をとり明日への英気を養う上で非常に大切な行為なのです。良く寝て、きちんと疲労をとることが、安全で楽しい活動に繋がります。ですので、そのためのスリーピングバッグはできるだけ良いモノを揃えたいですね。
最近は安くて良いものが多数出ていますが、スカウトキャンプはオートキャンプではありませんので、自分で持ち運ぶことを考えて、軽量、高性能、コンパクトになるものを用意してください。(→「少量の保温材でも暖かいこと」「軽いこと」「小さくなること」「大きすぎたり、きつくないこと」)
●形はマミー型(人形型・ミイラ型)
ボーイスカウトの活動形態からすすめているのは、マミー型と呼ばれる人の体型に合わせた形のものです。
レクタングラー(封筒)型は、寝心地はいいのですが、重くかさばりますので、自分で背負って持ち運ぶことを考えると選択肢から外れます。
●性能(使用可能温度)
性能としては 「最低温度」が-10℃、「睡眠温度」が0℃程度のものが必要です。茨城の平地での冬の1泊キャンプであれば、最低でもこの性能が必要です。
「3シーズン用」と表示されているものは、けっこう判断が難しいですね。例えば鹿児島と茨城と北海道では3シーズンの気温差は相当違ってきます。どこに基準をおいているのかは解りません。ですから、やはり最低温度・睡眠温度等の指標があるものを選ぶことをオススメします。
もし、今後たびたび冬季のキャンプに出かけたり、寒がりの場合は、それ以上の性能のものを選ぶことになります。
選ぶ時の基準は、寒い季節で使用する場合で考えることになります。夏季キャンプの暑いときは、掛け布団の様に使えばいいんですから。
▶最低温度(使用可能温度域):
疲労を回復するのに必要とされる6時間の睡眠が可能な温度の目
安です。
▶睡眠温度(快適睡眠温度域):
下着などのままでも、6時間以上快適に眠ることができる温度
域。製品を選ぶ目安となります。
●フィル(つめもの、中綿、断熱材)とロフト(つめものの高さ)
フィルとは、スリーピングバッグに詰められている「つめもの」のことを言います。これには主に化繊とダウンがあります。
同じロフト(つめものの高さ)であれば、ダウンは驚くほどコンパクトに収納(圧縮)することができます。ただし濡れたり湿気を多く吸うと高い保温性や断熱性を失ってしまいますし、値段もそれなりに高いです。
化繊は性能的にはダウンにはかなわないものの、フォロフィルとかエグゼロフトという構造のものは、保温性も断熱性もある程度の高いレベルを持っています。湿っても極端に性能が低下することはなく、すぐに乾燥します。しかしながら、ダウンよりも重量・容積とも1.5倍ほど重く・大きくなっています。
ボーイスカウトのキャンプのシーンでは、以外と雨や多湿の環境下でのキャンプが多いと思われます。選ぶのであれば、化繊のものでしょうね。
●サイズ
最近では大手メーカーのものは身長に応じてL,M,Sといったモデルが用意されるようになりました。それ以外では、まだほとんどがレギュラー(身長180cm以下)です。
それ以上の身長の人はロング(ラージ:L)を、小さい女性や子供はショート(スモール:S)を選びます。また、成長期の子どものために足下にあるアジャスターで、長さを調整できるモノもあります。
なぜ、長さを考える必要があるかというと、スリーピングバッグの暖かさは、バッグと身体の間にある空気が如何に暖められるかによるのです。つまり、身長に対して長すぎるものを使うと、温めなければならない空気が多くて、なかなか温かくならない、という理由からです。
また、ストレッチ(伸び縮み)性のあるモノだと横方向に伸び縮みするので、身体にフィットして温める空気がより少なくなるし、寝返り等の動きが妨げられないので快適に眠れますね。
●どこで買うか
ディスカウントショップのものは、やけに薄かったり、厚くても性能が悪かったり、表面がツルツルしていたりと、なかなか良いモノに巡り会えません。
ホームセンターは基本的に車で運ぶものが中心の品揃えとなっています。
総合スポーツ店(アルペンやゼビオなど)も品揃えが少なく扱うメーカーも偏っています。
やはり、アウトドアや登山の専門店、メーカー直営店で買うことを勧めます。(茨城だと、モンベルストア、WILD1、ナムチェバザールなど)
繰り返しますが、快適な睡眠は疲労を回復させ、明日の英気を養うものです。それは、結果として「安全」に繋がります。できるだけ、良いものを選んでください。
●ワンポイント
寒い季節のキャンプでは、寒さ対策としてスリーピングバッグの中にウォームシーツを入れて(毛布やフリースのブランケットも可)使用しています。
また、スリーピングバッグを覆うカバーもあります。
■マミー型
■レクタングラー(封筒)型
■ウォームシーツ
■スリーピングバッグカバー
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マット
快適な睡眠は、スリーピングバッグだけで獲得できるワケではありません。マットがあって初めて快適な睡眠が得られます。
マットは、地面からの冷えや湿気を遮断し、地表の凸凹を緩和するなど、快適な睡眠のためには必需品です。
マットがない時代は、草や枯葉を敷いたり、地面を耕したりしたものです。
●何を選ぶか・マットの種類
自宅の近隣で行われる、1泊程度の通常のスカウトキャンプだったら、表面がアルミ蒸着のエンソライトマットの60cm幅のものでいいでしょう(ふつうのキャンプだったらこれで十分。@700位と安い)。ただ、構造的に気泡が独立しているので、断熱効果は高いのですが、コンパクトにはなりませんし、斜面だと滑ってしまいます。リッジレストのマットであれば滑りませんし、スリーピングバッグとの間に空気層をつくるのでより温かく眠れます。
ただし、エンソライトマットは、コンパクトさを求めて薄いものを買ってはダメです。薄くても断熱性はありますが、地面の凸凹をやわらげることはできません。厚さ1cm位はほしいところです。
気泡が独立していないフォームパッド(家で使うマットレスのようなもの)は寝心地がいいのですが、水を吸ってしまうので実用的ではありません。
荷物のカサを減らしたい時は、エアマット(エンソマットよりも重い)になりますが、息を吹き込まなければなりませんし、寒い所ではパンクしやすく、中の空気が対流してなかなか暖まらない・・・という欠点があります。リペアキットを常に持ち歩く必要があります。
より快適性を求める場合は、フォームパッドとエアマットを組み合わせたインフレータブルマットがいいでしょう。これも相当コンパクトに収納できます。
これは、空気で膨らますフォームパッドで、コンパクトになります。フォームの弾力を利用して自分で膨らむセルフインフレータブルマットというものもあります。ただし、高価です。
●幅や長さは
長さは、原則として身長と同じサイズを用意します。
夏季の移動キャンプ等で、少しでも荷物を軽くしたい場合は、背中だけに敷く1/2ぐらいのものでも十分です。 幅は1人が横になって収まる幅。各社ごとに違いはありますが、だいたい60cm位となっています。
■エンソライトマット
■リッジレスト・マット
■インフレータブルマット
モンベル U.L.コンフォートシステムパッド
■マットのサイズと工夫
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