私たちが、自然から得るもの・学ぶものは、はかりしれないほど大きく、深いものがあることを知らなければなりません。
カブスカウトのハイキングは、当然、教育の場としてのプログラムとして計画されることが必要です。その教育目標は、その月のテーマや活動目標に沿ったものでなければなりません。そしてそのプログラムは、テーマに則ったストーリーで展開されることになります。ただ単にハイキングコースを走破するだけでなく、スカウトがワクワクするようなストーリーが展開され、達成感が実感できるようなプログラムを計画しましょう。
カブのハイキングには、野外活動として様々なプログラムを提供することができます。次のようなものが例としてあげられます。
1. 関所ハイク
一定の距離をおいて「関所(チェックポイント)」を設け、その関所で出される課題を組で協力して解いて進み、目的地へ向かうハイキングです。課題の内容は、そのフィールドの状況でいくらでも考えられます。下記に関所の課題の例をいくつか示しますが、それぞれ単独でも、またいくつか組み合わせるなど、活動のテーマに従って工夫して下さい。
A. 暗号を解く
B. 替え歌を作る
C. 重さを計る
D. 長さを計る
E. 採集する
F. 俳句をつくる
G. ファーストエイド
2. 追跡ハイク
先行者が残した跡を追跡しながら進むハイキングです。
A. 追跡サイン方式
B. 尾行方式
C. 文章方式
D. ラリー方式
3. 観察ハイク
花や木、土や石、昆虫や動物、空気と水、どれも野山の自然の中に、はかり知れない驚きが隠されています。これもすべて、カブスカウトの精神的、知能的な発育に役立つものばかりです。
A採集
・植物や昆虫などを採集しながら進みます。
・自然愛護は野山を歩く者の義務であることを忘れずに。採集が禁じられているものや場所あるので注意を。
・採集用具の他にビニール袋や軍手なども携行します。
・また、採集物は戻ってからきちんと整理分類します。
Bフォトハンティング
・デジカメが普及してきたので、それを取り入れたハイキングです。
◦草花、樹木、案内標識、赤い看板などのテーマを設けて撮影しながら進みます。
◦自然物の場合は、あとで組集会として図鑑で調べて分類し、手作り図鑑をつくってみましょう。
Cスケッチ
・個人で、または合作で、山野や風景、植物などをスケッチしましょう。
・樹皮とか葉っぱの拡大スケッチなど、ポイントを指定してもおもしろい。
4. その他のハイキング
①作家ハイク
・ハイクでの行動や観察や感じたことを記録しておき、自分自身や組の誰かを主人公にして、ドキュメンタリーの紀行文を作ります。
・それを隊集会で発表します。
・写真のスライドショーやビデオを使ったドキュメンタリー作品にしてもいいでしょう。
②歴史ハイク
・名所、旧跡、史跡を調べたり、土地の人の話を聞いたりし、その土地の昔の姿を思い浮かべます。
③ナイトハイク
・カブスカウトにとっては、夜のハイキングはとてもエキサイティングなプログラムになります。しかし、ボーイ隊のオーバーナイトハイクのようなハイキングをするには知識も体力も備わっていないので注意してください。
・歩くことだけよりも、月や星座を観察することと併せてもいいでしょう。
この他、いろいろと考えられるでしょうが、歩き回ることは全身の運動です。空気のきれいな、広々とした野外で、安全と天候に注意し変化に富んだ愉快なプログラムを楽しんでください。
また、プログラムには修得課目やチャレンジ章の細目をプログラムのヒントとして活かすことも是非考えて企画しましょう。
5.安全への配慮「そなえよつねに」
ハイキングの実施の際には、とくに安全への配慮が必要となります。安全対策を充分に計画し、安全にプログラムを実施できるように準備しましょう。
実地踏査を含めた徹底的な事前調査は、欠かすことができません。カブのハイキングは、組を単位として行われますので、組の指導者であるデンリーダーも事前調査には参加することが大切です。
また、気候の変化や、季節に伴う防寒対策や装備の準備も忘れてはなりません。いくら地元の良く知ったフィールドであったとしても、万が一のことを考えて最低限の装備は携行させることは、指導者の義務です(右記ヒントに掲載)。
そう、「そなえよつねに」です。