キャンプの装備を持って行く場合、2つの指標で考えることができる。
1つは、誰が使うのか
「個人装備」
「グループ(班や隊)装備」
「共同装備」
で、もう一つは、どれだけ使うのか(使用頻度)
「必ず使用するもの」
「必ず持って行くけれども、使ったり使わなかったりするもの」
「あると便利で役立つもの」
「使うかもしれないもの」
である。
では、それぞれについて考えていこう
●グループ装備、共同装備、個人装備
班や隊グループとして使うものをグループ装備という。班装備は、すでに各隊では「班」専用の備品として配備されているだろうから、季節や期間による内容物の変更はないだろう。
隊装備は、行うキャンプの内容によりその装備内容が異なってくる。班装備の不足を補うもの、プログラム関連用品、安全・衛生関連等の装備、救護用装備そして、指導者用の装備が加わる。カブのキャンプにおいては、「班装備」という概念がないので、全て隊装備となること。この点を確実に伝える。
また、隊や班装備には無い、個人装備の延長上?の「共同装備」がある。これは、なくてはならないが、全員が持ってく必要がないもので、例えば缶切りや爪切りなどだ。班員がその共同装備を任されるというこは、すなわち、欠席することはできないという「責任」を持たされるということでもある。
個人装備は、その名のごとく「個人が使う装備」で、基本的に他の人が使うことはない。グループ装備や共同装備が、一年中どのキャンプでもあまりその種類に変化がないのとは違い、個人装備は、どの季節にどんなキャンプをするかによって、持って行くものが大きく異なる。中には、それを持って行かなかったために命を落とす・・・なんてこともあり得る。
1泊のキャンプでは、あるモノがなくても我慢すれば何とかなってしまうが、長期キャンプとなると不自由がストレスになり、疲労や精神に影響してくることもある。
しかしながら、必要な物は何でも以て行けばいいというものではない。そう多くのモノを以て行けば、それだけ「嵩量」と「重さ」増えることになる。それは、行動が制限・制約されることにつながる。そこで考えなければならないのは「何を持って行くか」ではなく「何を持って行かないか」ということになる。
●プライオリティをつける
プライオリティとは、持っていくものの優先順位のことだ。
それは、
「必ず使用するもの」
「必ず持って行くけれども、使ったり使わなかったりする
もの」
「あると便利で役立つもの」
「使うかもしれないもの」
の4つに区分できる。
例えば、同じ環境でキャンプを行った場合、スカウトの経験度
によって、同じグッズでもどこに分類されるかは異なる(ベテラ
ンほどABは減り、初心者ほどABが多くなる)。つまり、初心者は、いろいろとキャンプの場面を想定して「あれも必要」「これも重要」となってしまい、結果としてパックいっぱいの荷物となってしまうのである。
ベテランスカウトや指導者は「いかに持って行かないか」が個人装備の指標となる。無ければ作る、他のものを上手く活用する。そんな応用力や創意工夫力は、たくさんの知識と経験、そしていかにものごとの本質を捉えているかによって培われていく。(→それがボーイスカウトの目指している姿のひとつである)
「無人島にだった一つだけ持って行けるグッズがあるとしたら、あなたは何をもっていくか?」という質問をきいたことがあるだろう。
ベテランは口を揃えて「ナイフ」というだろう。ナイフがあれは多くの必要なモノを作り出すことができる・・・から。
●個人装備の雨対策
キャンプは晴れだけと葉鍵っていない。当然雨の時もある。スカウトであれば、雨対策をしっかりと行って、積極的に勇んで雨の中に繰り出したいモノだ。
雨で問題となることは何だろう
このように、晴のキャンプでは考えられないことが起こってくる。こんな状態になるのを防ぐには「グッズを濡らさない」ことである。特に寒い時期のキャンプで、着替えやスリーピングバッグを濡らしてしまったとしたら・・・最悪の場合「死」につながる。
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このように、スカウトキャンプを行うのであれば、キャンプグッズの知識や扱い方をしっかりと身につけることが大変重要であることがお解りになるだろう。スカウトはもちろん、それを指導する指導者であれば、キャンプグッズの正しい知識や扱い方を修得することは、必須要件なのである。
左のメニューボタンに、個人の野営装備携行品リストを「夏季」「晩春・初秋」「早春・晩秋」「冬期・雪中」のカテゴリーに分けて、携行装備を挙げてみた。
前述のように、どの季節にどんなキャンプをするか等の諸条件によって、持って行くものが大きく異なる。そのため「一例」と考えて参考にしていただきたい。準備・携行するにあたってのコメントも合わせて掲載した。