日本ボーイスカウト茨城県連盟
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ハウディスカウト
 スカウト諸君へ!  キミに伝えたい10のこと
こ・れ・が・ GB TIPS
 IVY LEAGUE  GB 改造計画!

スムーズな行動は上班・班長の腕次第だ

 

●隊・班をうまく行動させる引率術

(必要な情報を簡潔に伝え、常に連絡、報告を)

 

集団で行動をする場合、必ずリーダーが必要となる。そのリーダーがよいか悪いかで、メンバーがやる気になったりシラケたりするし、ときには班の運命まで決定してしまうこともある。これは歴史上でも多くの実例が見られるし、今の家庭や学校、職場などの日常生活でも経験することだ。

特にハードな野外では、生命にかかわる状況に遭遇する場合もあるのだから、こでは隊や班のおけるリーダーシップと隊・班行動の基本的なテクニックを学んでほしい。たとえ単独行動だとしても役に立つことは多い。また、スカウト活動でのリーダーシップを身につけていると、日常生活にも大いに役立つことが多いのだ。

さて、いよいよ班長会議でハイキングやキャンプの計画が承認され、準備が整ってスタンバイしたら、上班や班長が直面するのは班をいかにしてスムーズに引率するかということだ。

 

①集合と出発

  • さて、ハイキングの出発地点に着いた。副長と隊付は、スカウトより先にコースを進んでいる。出発地点にいるのは、隊長と上班、そして救護担当のリーダーだ。
  • 班長は、班員の点呼をし、参加している班員を確認する。上班は、各班からの報告を受け、参加しているスカウト全体を記録し、また把握する。そして隊リーダーに報告する。途中のポイントとなる各班が揃う集合地点で、班長から必ず報告(人員確認と健康チェック)を受けて、それをとりまとめて記録し、隊リーダーに報告するのは「上進」の役目だ。班長は、集合したら常に点呼をし上班に人数を報告する習慣をつけておく。素早い集合はチームワークのバロメーターだし、隊の行動に余裕が生まれる。人数確認は引率術の第一歩だ。
  • 集合したら、上班は隊リーダーとの打合せ通りに、行動予定とコース・タイム、野外活動のマナー、注意事項、ゴール到着時の報告などの説明をする。班長は、それを受けて、班の出発時間や各係に必要な情報を伝えて、メンバーが自主的に行動し、また協力できるよう班で打合せる。
  • 班長は、改めて班の係(役割)を確認する。指揮・判断、先導、読図、目標発見、記録、時間、写真、救護などの役務を確認しておく。また、何かあったときにどのように連絡すればいいのかをハツキリさせておくコトも必要だ。特に女性の班員がいる場合は、トイレや生理の相談ができるように、班長か次長のいずれかは女性であることが望ましい。もしいない場合は、ベンチャー隊の女子スカウトに応援を頼んだり、女性リーダーが同行する等の配慮が必要となる。
  • 出発時間、進行方向、班内の順序、次の目標地点と目標通過予定時間を班全員で共有して出発する。
  • 出発する際には、班長は上班の前に横隊で班を並べ、例えば「ワシ班、6名、10時32分出発します!」と報告し、出発する。

 

②移動と解散と休憩

  • 隊列(班列)は、先頭が次長、最後尾が班長となる。ただし追跡ハイク等で、目標物を確実に発見する必要があるのであれば、『パトローリング』の歌にも出て来るフォーメーションも使うこともある。しかし、一般的に一列で歩くようなハイキングの場合は、責任者(班長)は必ず最後尾なのである。
  • 次長は、ときどき列の後方を観察しながら歩行スピードの調節を心がける。列が長くなればなるほど先頭は普通の速度でも後方は駆け足、なんてことになってしまう。少々ゆったり気味がいだろう。隊列がしっかりまとまって進行できるようにする。
  •  隊列が長くなりすぎたら、班長は次長にサインを送る。それには「班呼」を使うが、班で決めた合図でもいい。例えば「パトロール・チェック」でも「コントロール・チェック」といった言葉でもいい。最後尾の班長から順に前のスカウトに伝えて、先頭の次長まで伝える。
  • 次長は、後ろのスカウトに必要な情報を伝えることを忘れはいけない。必要な情報とは、ガレ場、穴、倒木、滑りやすさ、急斜面など進路の難易、歩行法などの指示や、動植物、地形、眺望、民俗などをタイムリーに説明&報告して、コース途中での安全と自然への関心と興味を持てるように気を配る。
  •  受けっとった情報は必ず次に伝えることを忘れてはならない。そう伝言ゲームである。
  •  また、急ぐばかりが能ではない。受け取った情報によって、記録をしたり、写真を撮ったりする。
  • 休憩地は快適で安全な地点を選ぶ。冬なら日当たり防風を、夏は日陰や風通しを考え展望がよければなおよい。
  • 休憩に入る時には、班長は、次の行動予定、集合の時刻と場所、自由行動の範聞などを伝えておく。
  • 行動中に、トイレや観察等で、班員が班を離れるときは、必ず「行き先」と「用件」班長に申告げてから行くことを実行させる。原則として2人以上での行動とする。事故防止に役立つ。
  • 指示や説明は、簡単明瞭がコツ。くどくどやられたら気分が沈んでしまう。
  • そして、班長、次長は『声かけ』も大切な任務だ。特にボーイ隊では、小学6年生(隊によっては5年生)から中学3年生までと、特に体格や体力差が大きい年代だ。班長や次長のペースで歩くと、年下のスカウトがついていけない場合がある。
  •  そんなときに元気にかつポジティブな声かけが大切になる。もちろん、班長・次長だけでなく、班員もそれに応じて声を出すことも大切な班のルールだ。
  •   班長「さぁ、いこうか!」
  •   次長「よ〜し、出発だぁ!」
  •   班員「おぅ!!」「よっしゃぁ!!」「了解!!」etc.

 

 

 

 

●成功するリーダーシップのとり方

(班員の気持ちを動かし、信頼をえるための積極的な態度が大切)

 

◆リーダーシップの第1ステップ

   班長「もっとマキを集めておこうぜ」

   B 君「もういいんじゃないか、ご飯は炊けたんだし、面倒くさいヨ」

 といった場合は、班長が働きかけたリーダーシップは失敗 だ。

 

◆リーダーシップの第2 ステップ

   班長「モタモタしてないで拾ってこい! 骨おしみするんじゃないぞ!」

 と言われて

   B 君「しょうがないな・・・」

 としぶしぶでもマキ拾いに出かけたとすれば、班長のリーダーシップは成功したのだ。

 

◆リーダーシップの第3 ステップ

   班長「山の夜はグッと冷えこむぞ。マキは多めに集めておいたほうがいいよ」

   B 君「うん、そうだね、寒いときはたき火が一番だもんね。集めてくるよ」

 とB 君が腰をあげれば、班長は効果的なリーダーシップを発揮したことになる。

 

 もっとも第2ステップのリーダーシップでも、日が落ちてシンシンと寒くなってきてから、B君が「やっぱり班長の言ったとおりにマキを集めておいてよかったな!」と思えば班長の強引さも信頼に変わるだろう。

 つまり、リーダー(班長)とは「集団行動の中でほかのメンバーたちよりも、多くの成功的リーダーシップを果たす人」ということであり、リーダーシップとは「集団のメンバーたちが望む、共通目標を達成するためにメンバーたちの気持ちを動かし、何かの変化を起こさせる積極的な働きかけの方法」なのである。簡単に言えば「みんなをやる気にさせる方法」だ。なので人によって上手だったり下手だったりするわけだ。

 だから、いくら班長の地位にあっても、失敗ばかりのリーダーシップでは班長失格だ。キミのまわりを見回してみたまえ、思い当たる人物がいるのでは。

 

◆班長3つのスタイル

 では、いつも「ああしろ!、こうしろ!」と命令ばかりする班長は悪い・・・とか、メンバーの意見をいちいち聞いてあげ、みんなを自由気ままにさせておく班長は良い・・・といえるかというと、そうとばかりはいえない。


 グループダイナミックスの研究では、リーダーシップを次の3つの型に分類している。

   専制型 (オレニツイテコイ型〉

   民主型 (ミンナデ相談型〉

   放任型 (スキニヤッテミナ型)

 ただ、このうちどれが良くてどれが悪いとは簡単にはいえないのだある。

 つまり、班が「今」直面している状況に、どの型のリーダーシップが合うのか、明確に判断して使い分ける必要があるということなのだ。それぞれの型にプラスとマイナスの面があることを知っておこう。

 下に3つの型を表にしておいたから、いろいろな場面を想像しながら当てはめてみるといい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●班長の任務と心得

(良い班か、悪い班かは班長で判断されるのだ)

 

 このホームページを読んでいるキミが、本物のボーイスカウトの班長になりたい、と思うならば、まずリーダーとしての基本的な任務や心得を身につけなければならない。

 

①リーダーの任務

 ボーイスカウトの他にも、仲良しグループのハイキング、学校の山岳部、野外教室の集団登山、子供会のキャンプ、あるいは学術探検隊など、野外に出かけていって活動するさまざまなグループがあり、それぞれ違った特徴がある。しかし共通していえることもある。その1つがリーダー(班長)の任務だ。これはまとめていえば、

 「野外活動の全般を通して、あらかじめ予定された集団の目的達成のために、メンバーの協力をはかり、安全にしかも適切な方法で楽しく指導する」

 ということになるのだが、これをもっと具体的に紹介しよう。

  • 活動の目的や方針は、班員の意見を聞き、それを反映させて決定し、それを班員全員に理解させて、計画や準備を進めること。
  • 班員がお互いに協力して、よい人間関係を保つようにすること。
  • 最も重大な任務だが、班員の安全を確保すること。
  • 気持ちよく行動できるように、場面に応じたリーダーシップを発揮して、班員の資質を高めるように指導しつつ、目的の実現のために努力することだ。

 

②リーダーの心得

 それでは班長の任務を果たすためには、どんな心得が具体的に必要なのか目標をあげてみよう。

 

 A. 班員の性格はどうか、知識や経験や熱意はどの程度なのかよく知ること。

 B. 班の中での班員としての責任、つまりメンバーシップを理解させること。

  たとえば、

    1. 他人に迷惑をかけない。
    2. 自分の役割をわきまえさせ、仲間と協力し積極的に活動させる。
    3. 言われたことを漫然とやるのではなく、自主的自律的に行動させる。
    4. 自分で安全や健康に気をつけさせる。
    5. 意見があれば陰でブツブツ言わずに提案させる、などである。

 

 C. タフな精神力と体力を常に保持していること。

 D. 民主的なルールを身につけながら、不測の事態には思い切った決断を下せる心構えを身につけているこ

  と。

 E. 班員の心理状態や体力を考え、適切な判断を出せるよう感受性を養うこと。

 F. 多方面への関心と、常に向上しようとする意欲を持ち続けること。

 G. 態度が明るくユーモアがあり、いつも心に余裕があり冷静なこと。

 H. 班員を指導・指示するための方法や、判断・対応するための技能や知識を持っており、それを班員に示

  す表現力が豊かなこと。

 

 これは、まさに、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」なのである。

 よいリーダーがいるところにはよいメンバーが育つし、よいリーダーは、またよいメンバーでもなければならないのだ。

 

 

 

 

●組織作りとチームワーク

(どんな状況下でも情報や意見の交換をスムーズに行うための)

 

 キャンプやハイキングしようとするとき、班ではそのキャンプやハイキングに対応できる役割分担、つまり班員の任務が必要となる。それにより、リーダーとメンバー、それぞれの仕事の分担の範囲、あるいはお互いの意見や情報の交換など、一連の動きがだれにもわかりやすくスムーズにいくからだ。

 

①よい班づくりの条件

  ㋐班員全員が一人一役以上、果たすベき仕事を分担していること。

   なんにも仕事をしない班員は、その分だけ他の人に負担をかけているということになるからだ。

  ㋑班長と班員、班員同士、分担した役割間の意見や提案など、情報の流れが早く正確に伝わること。

     「オレそんなこと聞いていなかったヨ」

     「早く言ってくれればよかったのに」

   なんてことで組織の動きが停滞したり誤解が生じてトラブルが起きるものだ。

  ㋒ボーイ隊の班の標準人数は8人である、これは、話し合い、作業能率、役割分担、班員の自主性を生

   かす、などの面でたいへん効果的なのだ。青年の家や少年自然の家の1部屋が8 人か同人収容になって

   いるのもグループ活動を考えているからだ。

  ㋓班には必ず班長と次長がいること。そして、各自がそれぞれ役割を分担され、その責任者となるこ

   と。

  ㋔金銭の出し入れを明確にすること。班活動する場合には、多かれ少なかれお金の収入と支出がある。

   その扱いが不明朗だったり、あいまいだったりするのもトラブルの大きな原因になる。

  ㋕必要に応じてアイデアや情報の提供、技術の指導など、知恵を貸してくれたり相談に乗ってくれる指

   導者がいること。

    班長がうぬぼれていたり、未熟な班員の集まり、単なる仲良し班などは、とかくチマチマとまと

   まって、ひとりよがりで閉鎖的になりやすい。こんな班は発展もしないしマンネリになり、班員の向

   上もない。

    そうならないために班長会議を活用しよう。それは単なる調整・決定機関ではない。重要な問題の

   解決や、GBの養成、班員の実力向上などの任務も持っている。班の発展には大いに役立つところ

   だ。

    その班長会議のとりまとめ役、つまり議長が上班(上級班長)なのである。だからと言って、上班

   がこれらを全部受け持つわけではない。上班の大きな役目は、これらを達成するために、必要に応じ

   て隊の指導者との橋渡しをすることである。

 

②チームワークをよくするには

 さて、いくら班の形が整っても、それを動かす人間のチームワークができていなければ、班はうまく動いてくれない。そこで、チームワークをよくするポイントをあげてみよう。

  ㋐班員全員が到達・達成しなければならない目標がハツキリしていて、かつそれに向けて自分のやる役

   割がよくわかっていること。

  ㋑分担した役割が他の役割とどう関連し、それが全体としてどうまとまっているかがわかり、その連絡

   が相互にうまくいっていること。

  ㋒いくら班長と班員、先輩と後輩といえども公平な発言の機会があること。

  ㋓決められたルールやマナーをみんなが喜んで守る気風・気概があること。

  ㋔全員がその「班」としてのプライドを持ち、積極的に行動する意欲があり、楽しい自由な雰囲気や、

   班独自のカラーを持っていること。

 

 要するにいいチームというのは「リーダーの任務につけばリーダーができ、メンバーになればリーダーに協力できる、いいメンバーのいる集団」なのだ。

 

    ◉班の役割分担の例

      • 班長  グループのまとめ、渉外
      • 次長  班長の補佐ⓐ
      • 装備  資材の管理ⓑ
      • 食事  食料の管理、炊事の指揮
      • 保健  健康と安全の管理ⓒ
      • レク  班員を楽しませ気分を引き立てるⓑ
      • 記録  会議や行動の記録をとるⓒ
      • 情報  細かく気を配って情報の収集や連絡ⓒ
      • 会計  金銭の出し入れと管理ⓐ

 

   ※仕事は公平に

     炊事、水くみ、マキ割りなどは当番でやる。食事係がいつもやるということではない。

     それぞれ分担された係は責任者ということだ。

 

 

 

 

●運用と管理の方法

(リーダーシップを発揮し、組織や行動計画を思い通りに実現させる)

 

 班のハイキングキャンプの行動計画が、いくら綿密にできたとしても、それは単に「形」 ができたというだけだ。この形にエネルギーを与えて実際に「 動かす」 運転方法が運用と管理だ。

 だからやり方しだいで、ヘタでぎくしゃくした運転にもなれば、なめらかで上手な運転にもなるのだ。

 また『計画』 というのは「こうなるだろう」「こうすればいいな」といった予想と希望のうえに組み立てられた、あくまでも『予定』 だ。野外では予定どおりにことが運ぶということはほとんどない。それどころか状況が変わることのほうが普通なのだ。

 天候にしても班員の状態にしても、どんどん変わってくるし、現地の状況だって見込み違いがある。

 

「だったら、どうせアテにならないんなら、計画も組織もなくたって、その場その場で適当にやればいいじゃないか」と考えるようだったら、「浅はか」という意外に言葉はない。

 

 計画があるからこそ直面した現実との違いの程度を知って、その場に最も合った対応ができるのだ。その対応の仕方こそが運用・管理の上手・下手であり、成功、不成功の分かれ道となるのだ。

 

◉上手な運用で組織を動かす法

たとえ登山隊の隊長でも大キャンプの野営長でも、あるいは小グループの班長であっても、組織を動かす運用の基本は同じだ。『成功する』 リーダーシップをどう具体的に発揮すればいいかということなのだ。運用上手のポイントをあげてみよう。

 

㋐言葉はハッキリ

 班員に指示するにしても口ごもっていたのでは迫力がない指導者、相手の心を動かせない。まして野外では声が散ってしまうから、相手の耳に確実に、しかもわかりやすく、気持ちのいい音声で入ったほうがいい。

 

㋑態度はテキパキ

 班長がノソノソしていたんではしまらない。明るい態度は班員を勇気づけ、気持ちをポジティブにさせる。だから、班長は進んで行動に示すことだ。しかし粗暴なのはダメ。スマートにやろう。

 

㋒頭はスッキリ

 すぐカッ!となって血が頭に上るようでは適切な状況判断はできない。いつも頭をクールにしておくこと。特に急ぐときや問題がこじれた場合にこそ大切なことだ。合理的な判断や公平な処理の方法を思いつけば、班員から信頼を受けるだろう。

 

㋓心はユッタリ

 心が散漫でセカセカしていたのでは、つまらないことで班員に小言を言ったり、トゲのある言葉が出てしまう。それでは心からメンバーが動くということにはならない。

 またしても山本五十六の言葉だが

  「苦しいこともあるだろう。云い度いこともあるだろう。不満なこともあるだろう。腹の立つことも

   あるだろう。泣き度いこともあるだろう。これらをじつとこらえてゆくのが男の修行である。」

・・・と。え、女性が班長の場合? 「男」を「女」に替えておくれ!!

 心を広く豊かにするということは、相手の立場に立って考えられることであり、細かいことにも気のつく感受性を持つことだ。

 

㋔やればいいってもんじゃない

 行動を起こすときには、「ただなんとなくはやるな!」ということ。今、自分は何のためにそれをやるのか、いつも目的を考えてやろうということなのだ。「なぜ? 」といった疑問を持たなければ進歩がない。それで「もっといい方法はないか」と考えて行動することだ。

 

㋕先を読め

 「うわっ、雨が降ってきたぞ! 大急ぎで濡れて困るものをしまえっ!」なんて注意するような班長は三流班長だ。そんなことは言わなくたってわかるのだ。それよりも「この雲行きじゃあ、あと何分ぐらいで夕立がくるかもしれないぞ、今のうちに準備をしておこう」というのが本物の班長だ。

 情報アンテナの感度を上げて、班員より二手も三手も先んじて行動するのが班長の務めなのだ。先見性があれば適切な指示が出せて、班員も行動しやすい。一事が万事だ。

 

㋖一歩下がって班を観察する

  • 班の動きに「無理」「無駄」「ムラ」がないか。
  • 仕事の分担は公平か。
  • 班員同士のコミュニケーションはうまくいっているか。
  • チームワークはとれているか。
  • 用具や資材はいつも整理されているか。
  • 情の流れはいいか。
  • 目的を理解して行動しているか。
  • 楽しんでいるか、おもしろがっているか。

 

㋗予定の変更にこだわるな

 細かい計画を立てれば立てるほど、状況の変化への対応、すなわち予定の変更はしにくくなるものだ。臨機応変に柔軟に対処しよう。ただし大した理由もないのに変更するのはよくない。

 

㋘準備と決断は早めに

 先手必勝というくらいだ。予定に追われるより早めに準備しておけば、行動が楽になる。どっちにしようか迷うときも、相談が長引くと問題がこじれやすい。

 「転ばぬ先のつえ」というではないか。

 

 

 

 

 

 

※この文章は「野外冒険術」伊藤昭彦 著 主婦と生活社P.78〜87を引用し、ボーイスカウト向けに加除修正したものです。

 

 プ

 ラ

 ス

 面

 

 

 

 マ

 イ

 ナ

 ス

 面

 

 

 有

 効

 な

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 面

 

 

 

 

 効

 果

  専制型            民主型              放任型

  • 物事の決定が迅速にできて、機敏な措置がとれる。
  • 知識や経験が豊富な有能なリーダーなら能力を最大に発揮できるだろう。
  • みんなの意見をまとめて、みんなの好きなようにするのだから、リーダーの能力と関係なく安定した運営ができる。つまり、誰でもリーダーが務まる。
  • みんなの協力が得やすい。
  • メンバーのアイディアが活かせる。
  • メンバーの自覚を促すのによく、自発的な協力が得られる。
  • 具体的な行動のねらいをはっきり示すと、メンバーの意欲が湧いて持ち味を発揮する。
  • メンバーの資質を高める経験ができ、リーダー養成に有効だ。
  • リーダーの独断専行でひとりよがりになるおそれがある。
  • 技術や経験不足で無能なリーダーだったら、これきもうメンバーが大迷惑だ。
  • 話し合いに時間がかかるので決定が遅れがち。
  • 危機的状況では間に合わない。
  • 失敗しても責任が曖昧で、いい加減になってしまう。
  • メンバーの意識や力量が低い場合には、統制が乱れて混乱がが生じてしまう。つまり勝手気まま担ってしまって収拾がつかなくなる。
  • 積極的なメンバーと消極的なメンバーが出てきて、気持ちがバラバラになってしまう場合がある。
  • 集団が困難に直面したとき。
  • 迅速な決定と行動が必要なとき。
  • メンバーの経験や知識、ぎじゅつなどの力量が十分でないとき。
  • 年齢が低かったり、判断力や情緒が未成熟で、それぞれが意見を持たないとき。
  • メンバーが疲れたり、何をやったらいいのかわからないとか、やる気がないとき。
  • 集団の目標や行動、運営方針などのメンバー全員に関係のある重要な事項を決定するとき。
  • メンバー同士のトラブルや利害を調整するとき。
  • メンバーそれぞれがやる気十分なとき。
  • メンバーが集団の共通目標を明確に理解していて、自分が果たす役割となにをすればいいのかをかんがえられるとき。
  • リーダーとメンバーの信頼関係がしっかりできていて、メンバーが有能であるとき。
  • 達成機能がある。
  • 集団の目的を能率的に達成するのに有効だ。
  • 維持機能がある。
  • 集団の組織を維持し、継続していくために必要で有効な機能を発揮する。
  • 参加機能がある。
  • メンバーが主体的に参加しようとする意欲をうながすのに要項。