少年よ 小さくかたまるな -冒険と夢-
サトウハチロウ
森がある
高い木がある
のぼりたくなる
山がある
洞窟(ほらあな)がある
中へはいりたくなる
地図がある
ひたいをよせて 指でたどる
仲間と歩きたくなる
これが少年の心なのだ
ものに向かっていく少年の心
その心こそ大切なのだ
みみずばれ キリキズ たんこぶ
赤いクスリ 白いホータイ
想い出の中にうかびあがるたのしい色
少年よ
空気をかみしめながら
自分をためし 自分と戦え
少年よ
小さくかたまるな
動きがとれなくなる
のびる手がある
動く足がある
使いたくなる
するどい目がある
敏感な耳がある
ものを見きわめたくなる
冒険がある
夢がある
願いをかなえたくなる
少年よ
その中におもいきりひたり
その日その日の生活(くらし)に
すばらしい弾力をつけろ
詩集「あすは君たちのもの」より
少年の夏
中島 清行(県連盟コミッショナー)
それは11歳の夏のはじめの頃だった。
その時、少年は暗いテントの中でじっと眠くなるのを待っていた。地面の上で眠ることは、少年にとって初めての経験だった。
いくつもの寝息が少年の両側から聞こえてくる。布1枚隔てた暗闇からは、夜の森のさざめきが聞こえてくる。
木々の梢のふれあう音。小さな獣の動く音。遠くの小川のせせらぎ。虫の羽音。風のそよぎ。遠くでフクロウが鳴いている。
そして突然の静寂。
「バサッ」
突然、テントのそばで大きな音がした。
「ひゃっ!」
少年は驚き声にならない声を思わずもらすと、バッと寝袋にもぐり込み目をつぶった。
しばしの静寂。
不安と期待。畏怖と好奇心・・・・。
しかし、森は何事もなかったように、またさざめき始めた。
少年は寝袋からおそるおそる目をのぞかせ、あたりをうかがった。目に入るのは深淵なる闇。にわかに恐怖が少年を支配した。
やがて、仲間のたてる安らかな寝息に少年は安堵する。気持ちが落ち着いてくるにしたがい、少年の脳裏には今宵のまどいがあざやかによみがえってきた。
ひとつの火を囲んだ十数人の仲間。炎に照らされたそれぞれの笑顔。それらが実に楽しそうに歌っている。それらの歌は知らないものばかりだったが、いつしか少年もいっしょに口ずさんでいた。
「♪今宵、この森に、楽しきまどいせ〜ん」
炎が大きくなるにつれ歌声もどんどん大きくなっていく。やがて誰かがはじけるように踊り出した。みんながつづいた。少年も夢中で踊りの中に飛び出していった。興奮と陶酔にあふれ、生き生きとした笑顔が炎に映える。ひときわ声が大きくなった。
いつしか、少年は眠りについていた。
そこには、卓越した技能と精神、ユーモアと行動力を持ち合わせた目指すべき先輩がいた。尊敬すべき指導者がいた。
そこには、共に思考し、実践し、教え教わり、競い、励まし合った多くの友がいた。
これらの仲間とともに数多くの経験を積み、多くの知識・技能を得ることができた。
観察と推理、思考と実践、無茶と堅実、失敗と成功、達成と挫折・・・いろいろとやってきた。
面白かった。楽しかった。嬉しかった。悔しかった。情けなかった。頑張った。誇らしかった。泣いた。落ち込んだ。笑った。喜んだ。・・・。
こんな恵まれた環境のなかで、彼は多感な少年期を過ごすことができた。そして、オトナなった今も、いや、今後もずっと、あの「夜」のことを忘れることはないだろう。
雨デモ遊ビ 風デモ遊ビ
雨デモ遊ビ
風デモ遊ビ
雪モ夏ノ暑サモ遊ブ口実
丈夫ナ身体ト胃腸ヲ持チ
欲ハアリ
ニツモニコニコ笑ッテル
1日ニ4合ノ飯盒飯ト
肉トカナリノ菓子デモ足リズ
アラユルコトニ
ジブンヲ目立タスベク
ヨク研究シ
デモ目立チソコナイ
野山ノ林ノ
小サイテントニイテ
東ニ愉シイコトアレバ
行ッテタダワイワイ騒ギ立テ
西ニ恋ニ破レタ乙女アレバ
下心ヲ隠シテヤサシクシ
南ニ落チ込ンダ男アレバ
行ッテ更ニソノ足ヲヒッパリ
北ニ迷ッタ班アレバ
手ヲタタイテ大ヨロコビシ
台風ガクレバワザワザキャンプシ
豪雨ノトキハ石鹸モッテ飛ビダシ
カヌーヲ漕ゲバ必ズ沈ヲシ
オダテリャスグソノ気ニナリ
何ニデモ顔ヲツッコミ
器用ニコナシ
人ト自然ト音楽ヲコヨナク愛シ
ボーイスカウトガ好キデ
熱中シ
ソレ故釣ッタ魚をトリ逃ガシ
ミンナニ純粋ナバカダトヨバレ
呆レ果テラレ
デモ苦ニハサレズ
ソウイウヤツガ
ココラニハイル
詠み人知らず
僕が一番欲しかったもの
槇原敬之
さっきとても素敵なものを
拾って僕は喜んでいた
ふと気が付いて横に目をやると
誰かがいるのに気付いた
その人はさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった
惜しいような気もしたけど
僕はそれをあげる事にした
きっとまたこの先探していれば
もっと素敵なものが見つかるだろう
その人は何度もありがとうと
嬉しそうに僕に笑ってくれた
その後にもまた僕はとても
素敵なものを拾った
ふと気が付いて横に目をやると
また誰かがいるのに気付いた
その人もさっき僕が拾った
素敵なものを今の僕以上に
必要としている人だと
言う事が分かった
惜しいような気もしたけど
またそれをあげる事にした
きっとまたこの先探していれば
もっと素敵なものが見つかるだろう
なによりも僕を見て嬉しそうに
笑う顔が見れて嬉しかった
結局僕はそんな事を何度も繰り返し
最後には何も見つけられないまま
ここまで来た道を振り返ってみたら
僕のあげたものでたくさんの
人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の
探していたものだとわかった
今までで一番素敵なものを
僕はとうとう拾う事が出来た
自分の才能を他人が見いだしてくれる時
(元)財団法人ボーイスカウト日本連盟理事 原田 泳幸
人はよく他の人を見ています。
世のなかもよく人を見ています。
自分の気づかない才能を他の人が見出してくれることも多々あります。
ですから、まずは日々、自分の仕事を全うし、どんな仕事でもいちばんを目指す。
人が期待する以上の仕事をやり遂げる。
そのために一生懸命、自分で考え、実行する。
これが基本姿勢です。
若いときは、いろいろなことを学ぶ時期なのです。
何事にも一生懸命取り組んでみてください。
多くのことを経験するという投資を自らに与えることによって、貴方の人生はより実り多きものとなるはずです。
「日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉」より編集
自分には
自分に与えられた道がある。
松下幸之助
今を大切にしよう
ー 瀬戸内 寂聴 ー
自分がしてきたことの結果が、
今の人生を形作って、
今することの積み重ねが
未来を作り出していく。
だから・・・
どうなるかわからない先のことに
心を痛めるより、
もうすんでしまったことを
悔しがるより、
刻々と移り変わることがらを受け入れて
今を楽しんで生きてくことが
いっちばん大事!
胸躍る未来のためにも
貴重な今を大切にしよう
私たちの生きているこの世で起きることには
すべて原因がある
これが「因」です。
起こった結果が「果」です。
因果応報というように
必ず結果は来るのです。