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1.進級面接 編
※日本連盟の教育規定より
●面接の原則 7-37
面接は、課目の考査結果を認証するとともに、スカウトが自信を持ち、更なる進歩を励ますことを主眼とし、決して再考査を意味するものではない。
●進歩及び進級条件としての面接 7-38
所定の課目の考査に合格したスカウトは、面接を経て各級スカウトに進歩又は進級する。
●面接の区分 7-39
スカウトの進歩及び進級に関する面接は、次のとおりとする。
(1) 1級スカウト以下及びベンチャー章
取得スカウトは、団で行う。
(2) 菊スカウト、隼スカウト及び富士
スカウトは、県連盟進歩担当委員会
の責任において行う。
● 進級面接とは・・・
進級とは、ひとつ上の「級」に進むことです。
その際に、「このスカウトは進級の要件を満たしているかどうか」を評価するのが進級面接です。
しかし、進級の要件を満たしたかどうかは、隊長が判断し「認定」(指導者等が、課目考査の結果を判断して、その課目に合格したことを認めること)することでなされます。では、どうして「面接」をするのでしょうか。
面接は、認定の結果を認証(第三者が、その進級を公式に認めること)し、スカウトに自信を与え、更に次への進歩向上(次の進歩章への取り組み)を励ますことをねらって行われます。
面接は、面接試験でもなく、また再考査でもありません。そのスカウトが、どれだけのことを経験し、「ちかい」と「おきて」をどれくらい自分のものにしてきたかという進級考査の結果を確認し、励ます場なのです。
面接は、スカウティングでは、進級するための大変重要なプロセスの1つとして位置づけられています。ですから、スカウト諸君は、それまでの進級考査に一生懸命取り組んできたわけですから、自信をもって面接に臨んでください。
● 進級面接を受けるには・・・
進級面接は、「菊章」「隼章」「富士章」の3つだけではありません。実はビーバースカウトが「ビーバー」から「ビッグビーバー」になるとき、カブの「うさき」が「しか」になるときなど、すべての進級の時に行われるものなのです。教育規定によって「菊章」「隼章」「富士章」については、県連盟において面接をすることが定められていますので、切れらの急に進級する時には、必ず地区(菊や隼)や県連盟(富士)の面接をうけなければなりません。
○ 進級考査に合格したら、進級申請の準備をします。
菊章、隼章、富士章を受ける場合には、「面接・認証申請」を地区の進歩委員会に提出しなくてはなりません。
それは、団委員長が、地区または県連盟に対して、「自隊(自団)のスカウトが、進級課目考査において所定の基準に達したと認定したので、面接で確認と励ましを与え、進級したことを認証して欲しい」と申請するのです。
その「面接・認証申請書」には考査結果を証明する報告書や記録等を一緒に付ける必要があります。その作成は、隊長作成するようにしてください。その際には、次のことを考えながら作成していきます。
○面接・認証申請書の記入のしかた
面接・認証申請書の記入については、進級スカウト本人が記入するところ、保護者が記入するところ、班長や議長が記入するところ、そして隊長が記入するところがあります。それぞれ間違わずに正しく(きれいな字・楷書で)記入します。
ここで、注意しなくてはならないことは、細目の認定やバッジ取得の日付が正しいかを確認することです。つまり進級課目・ターゲットバッジ、マスターバッジ、技能章等の細目等の認定日が、それぞれの章のチャレンジ期間内のものであるかを確認することです。
1つでも日付けが間違っていると、その「章」へのチャレンジを開始した時から認定されるまでの道のりに、いらぬ疑義が挟まれることになってしまいます。それは、スカウトにとっても指導者にとってもたいへん不愉快であり不名誉なことです。それは、面接をする側とすれば、これは疑義を挟んでいるのではなく、当然の確認しなればならないことなのですが‥‥。こんなことがないように、日付を記入する際には、進歩記録帳と隊長が持っている進歩記録を照らし合わせて記入してください。
○申請書に添付する資料
面接・認証申請書に添付する資料は、特に提出を求められたものについて、添付します。それは新たに作成するのではなく、その級の進級課目考査の時に提出したものをそのまま添付します。
また、進級課目の細目には、特に作成・添付することは求められていないのですが、県連のローカルルールで提出を求められているものがあります。それについては申請書に添付して提出することが必要となります。(茨城では、「ちかい」と「おきて」の実践についての報告と自分の考えを、原稿用紙にまとめて提出するよう求めています。)す。
例えば、ボーイ部門の2級章課目1.(4)「コンパスと地図を用いた10km程度のハイキングを計画し、隊長および保護者の同意のもとに実際に行う」とあります。ただ歩いただけでは「ボーイスカウトのハイキング」ではありません。スカウトのハイキングには、テーマと想定とパトローリングによる観察と推理がなくてはなりません。従ってそれに沿った目的があり、目標・方法があり、企画→計画→実施→評価→反省という実施のプロセスと、ハイキングにおける想定への対応、野帳の記録(歩行記録、観察記録、天候記録等)、課題の取り組みなどがあります。
それを実施後に「ハイキング報告書」にまとめて隊長に提出し、評価を受けて、振り返って、その改善策をさらに付記したものをハイキング報告書と一緒に綴じたところで、はじめてハイキングが完結します。
これらの記録があるはずですので、面接時に、スカウトの取り組みをより濃く伝え、その認証をさらに大きなものとするためにも、必ず添付します。一方、これらを添付するということは、スカウトにとっても自分の歩んできた軌跡を残すということです。
○申請書の綴り方(ファイリング)
進級申請書は、A4サイズのファイルバインダーに、「面接・認証申請書」を第1ぺ−ジとし、その後ろに「添付資料」を、
・課題順に
・時系列に
・見出しを付けて
綴じ込んだ形式とします。ボーイスカウト、ベンチャースカウトの進級申請書提出先は地区の進歩委員会です。
● さあ、次は「面接」です・・・
面接は、考査の結果を認証し、スカウトに自信を与え、更に次への進歩向上(次の進歩章への取り組み)を励ますことを主旨として行うことは、前に説明した通りです。
●面接会の日程と場所
面接会は、地区や県連盟の面接委員会が行います。
その面接会の日取りは、スカウト本人はもとより、保護者、隊関係者、そして各面接委員のスケジュールを調整して決定されます。土曜日か日曜日です。
面接会の場所は、「菊章」「隼章」は、各地区内で、「富士章」は水戸の県連事務局で行われます。
●面接を受ける準備
面接は、認証のための「公式」な場であることを忘れてはいけません。ですのでスカウトは、その面接を受けるための準備を怠らないでください。
【事前の準備】
●面接上の留意点
面接は、決して再考査ではなく、面接試験でもありません。考査の結果を認証し、スカウトに自信を与え、更に一段と進歩向上を励ます場です。
そのため、日常ではない、緊張と身構えとが必要な厳粛な雰囲気で行われます。これは、決して威厳を表すものではありません。この厳粛さが、進歩の階段を1つ上るという栄誉と名誉の気持ちにつながり、自信と自覚がわいてくるのです。
面接は、約1時間ほどかかります。
どんな内容で行われるか、どんな質問をされるのか・・・・・
そこが一番知りたいところですね。
残念ながら、それは教えることはできません。
面接の進行は、ほぼ決まっていますが、質問はスカウト一人ひとりの取り組み方によって異なるからです。ただ共通していることは、スカウトとして「ちかい」と「おきて」をどのように意識して、それを実践するべく、どのように努力しながら取り組んで将来に向かって生きていくか、は必ず聞かれます。
●進級の認証
面接が一通り終わると、スカウトは一旦面接会場の外に出されます。
この間に、面接委員会による進級にふさわしいかどうか検討がなされます。
検討が終わると、ふたたび面接会場にもどります。
そして、面接委員長から、結果が告げられます。
「おめでとう」
ということばであれば、君は見事進級を果たしたことになります。
そして、君は進級記章を授与される日を首を長くして待つのです。
● 進級記章は、いつもらえるのかな・・・
認証が終わると、面接委員会は県連事務局に対して、記章の発行の手続きを行います。手続きは約1週間ほどかかります。
記章が日本連盟から届くと、事務局から菊章や隼章の場合は地区の進歩委員会に、富士章の場合は県連の進歩委員会に通知され、その授与式の日取りが決まります。
菊章、隼章、富士章は、隊集会等で授与されるのではなく、地区や県連の公の場(地区委員会や県連理事会など)で、地区委員長や理事長から授与されます。
授与が終わると、菊章、隼章、富士章スカウトとしての決意や抱負などを短く述べる機会が設けられますので、その準備も忘れないようにしましょう。
そして、晴れて君は菊章、隼章、富士章のスカウトになりました。
おめでとう!!