日本ボーイスカウト茨城県連盟
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 Q6:新「隼章」と「富士章」の(1)基本にある「最低6ヶ月」について?

 

 「ベンチャー章を取得してから、最低6ヶ月間の「ちかい」と「おきて」の実践に最善をつくす。」とありますが、ずいぶん長いのではないでしようか?? (H.K VM)

 

 「ちかい」と「おきて」については、「知る」→「理解する」→「身につける」→「それをもって実践していく」というプロセスを「Learning by Doing」によって、自分の人格として取り込み定着を図っていきます。隼章が設定されたので、このプロセスはボーイスカウトからベンチャー章を取得するまでの間になされることとなりました。

 隼章・富士章では「実践に努力する」から「実践に最善をつくす」となりました。これは、ベンチャー章までにほぼ身につけた「ちかい」と「おきて」、すなわち「スカウトとしての在り方」について、不足であるところを確認して補い、1人のスカウトとして理想とするところに近づくべく、さらなる取り組みをしなさいということです。

 その取り組みの中で、いろいろな困難にぶつかることでしょうし、また、大学受験という身近な目標もあるでしょう。これらに対して、今のスカウトとしての自分のペスト(最善)をつくす(「努力」ではなく「実行」)ことが求められたとうことです。これは、自分自身への挑戦に他なりません。

 

 それは、どのくらいの期間なのでしようか? 高校生のこの時期は、大学の選択、職業の選択、人生の計画など、いわば自分の一生を左右する非常に大切な時期です。ですから、「実践に最善をつくす」期間は、1〜2ヶ月のような短期間のものではないはずです。個人的には最低でも1年、できれば2年は必要だと思います。しかしながら、進級はスカウト自身のステップアップを評価することが主旨ですから、「最低6ヶ月」という期間を区切って、その成長プロセスを確認することとしたわけです。あくまでも『最低期間』です。それに、この自分自身の「最善をつくす」取り組みは、「ちかい」をたてたものとしては、一生続くものでもあります。→『永遠のスカウト』

 

 ボーイスカウトからの各級に「ちかい」と「おきて」が出てくるのは、スカウト運動が輩出する社会人であれば、誰しもが身に付けている社会人としての基盤意識・精神をBS〜VS〜RSにかけて、じっくりと実践を通して培って定着させることが、この運動の使命であることを示しているわけです。

 

【2011.06.26 担当コミッショナー】

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 Q5:新「隼章」のバッジのデザイン

 

 新隼章のデザインって決まったのですか? (T.F VM)

 

 はい。決まりました。

 デザインを早く知りたい方は、「日本連盟教育規程集・平成23年度版」をお買い求めください。P.217に掲載されています・・・・・あれ、よく見ると、まだ「案」て書いてありました。

 ということは、まだ正式には決まっていないようですね。

 

【2011.06.09 担当コミッショナー】

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 Q4:VSの新進歩課程にあるターゲットバッジの位置づけと認定について

 

 ベンチャーの新進歩課程のベンチャー章課目の中に、いくつもボーイスカウトの進歩課程のターゲットバッジが課目として出てきます。それはどうしてですか? また、誰が認定するのですか? (T.M VM)

 

 きちんと説明すると、とても長くなるので、要点だけ述べます。

 

 ・まず、ベンチャースカウトでいられる期間が、18歳を迎えた最初の3月31日、すなわち高校生最後の日

  (浪人落第していなければ)・・・と今までの20歳になる前日から相当短縮された。

 ・ベンチャー章から富士章までの格差がありすぎて、進歩意欲に欠けていた。

 ・現進歩制度では、「野営技能」が培われにくい。野営技能のない「富士」が多く排出されててしまっ

  た。

 ・ボーイからベンチャーに上進すると、ベンチャーバッジからのスタートで、初級も菊も同じ扱い。せっ

  かく菊をとってもリセットされてしまう。

 ・現「富士章」が通過点であって到達点ではなく、また、「ベンチャー章」「富士章」のイメージが明確

  ではなかった。

 

などのことから、「ベンチャー章」と「富士章」の間に「隼章」を設け、富士章を以前のように最高到達点と位置づけました。

 

 この改正の中での大きなポイントは、各章のイメージを明確にすることです。例えば英検の1級、2級、3級に大きな位置づけの差があり、それを私たちは認識しています。ところが、現ベンチャー制度では、それが見えません。この級のスカウトであれば「これができる」を明確にすることをここでは行いました。もうひとつのポイントは、短期間となった新ベンチャーで、いかにシステマチックに進級させるかでした。この2つを具現化したのが、新ベンチャー制度なのです(それだけではありませんが)。

 

 明確になったイメージは、「隼章」を取得したスカウトは、「キャンプの達人である」というもので、そのために身につけなければならない知識・技能を明確にしました。また「富士章」は「すべての面で後輩が憧れる、総合的に力量を持ったスカウト(スカウトの達人?)」だそうです。

 ベンチャーに上進して、富士をとるまでの期間は最長3年半。この期間内に、キャンプの達人を育て、総合的な人間力のある富士を育てていくことになります。また、ボーイ隊の進歩からの累進性を確保する、つまり、1級や菊をとったスカウトがベンチャーに上進したときに、ベンチャーの進歩制度の中で1級・菊が進級に有利となることで、結果としてボーイ隊での進級促進にも繋がることをねらっています。

 

 ・・・と前置きが長くなりましたが、「ベンチャースカウトとして身につけておくべき基本」については、ベンチャー章課目として設定されています。そこで求めるものの中には、ボーイの進級課目や選択課目としてすでにあるものもあります。それでは、「ベンチャースカウトが基本的に身につけておくべき基本」を既に身につけていたのであれば、それは認めよう! 、ベンチャー章の課目の該当する細目を履修したことにしよう! となった訳です。進歩の目的に適っているのですから、全く問題はないとの判断です。

 その基本を元に「隼」「富士」に進級していくのですが、そのスタートであるベンチャー章課目にボーイ隊で履修済みものものがあれば、その分早くベンチャー章を取得でき、隼・富士がぐんと近づいてきます。

 

 つまり、1級章、菊章と進級するにつれて、必要とされるターゲットバッジ・マスターバッジが増えていきます。必然的に、1級章、菊章のスカウトの方が、当該細目を履修している確率が高いため、ベンチャー章課目の中で読み替えができるものが多いであろうから、初級や2級のスカウトよりも、早く進級するだろうという目論見なのです。

 しかしながら、1級章、菊章のスカウトの中には、ベンチャー章課目に併記されているターゲットバッジ細目を全くやっていないスカウトも確率的には生じます。そのスカウトはベンチャー章のすべての細目を履修しなければなりません。

・・・と、これがターゲットバッジ課目がベンチャー章課目に入っている理由です。

 

 次は認定です。ベンチャースカウトとして履修した課目の認定は、すべてベンチャー隊長(副長)が行います。ここで間違わないでもらいたいのは、上記のベンチャー章課目の中にあるターゲットバッジの課目は、ボーイスカウトの時代にボーイ隊長が認定し取得したものに限るということです。ベンチャーの隊長は、それをそのまま採用して、その課目の認定をします。

 ただし、(2)スカウト技能・ア「E1キャンプ企画」だけは、ベンチャースカウトになっても履修可です。

 

 実際のところは弾力的運用でベンチャースカウトになってもターゲットバッジの細目を履修すること(ターゲットバッジの取得ではありませんよ)は、否定されていません。しかしながら、高校生年代がターゲットバッジの細目を履修する場合は、そのまま履修するのではなく、隊の状況や構成を踏まえて、その年代にふさわしい内容に読み替える配慮が必要です。

 

【2011.06.6 担当コミッショナー】

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 Q3:「信仰奨励章」と「宗教章」

 

 「信仰奨励章」と「宗教章」は、どちらもとらなくてはならないのでしようか? つまり、宗教章を受章したスカウトであっても、信仰奨励章を取得することが求められるのか・・・ということです。 (K.S VM)

 

 結論から言いますと、「信仰奨励章」と「宗教章」は別物ですので、どちらかをとればいいというものではありません。

 

 この2つについてその位置づけを簡単に説明しますと、

 「信仰奨励章」は、スカウティングの根底にある「感謝の心」と「奉仕の心」、すなわち信仰がスカウト精神に繋がっていることを知り、それをどんな形で取り入れて自分のものにし、カタチ(行動)として表していけばいいのかを身につけて実践していくものです。(極論すれば外向き)

 「宗教章」は、信仰の中のひとつである「宗教」について、理解し、その宗教観の中での自分自身の在り方を理解し身につけて実践していくものです(極論すれば内向き)。

と言うように、向いている方向が違います。ですので、前述の通り、どちらかを選択する性質のものではありません。

 

 また、平成2年9月から実施されるベンチャーの新しい進歩制度では、「隼章」の課目の中に「信仰奨励章を取得する」とあります。信仰奨励は進歩課目に馴染まないので進級要件にしなかったという経緯がありましたが、今般の改正では、様々な議論の結果として、進歩課目に採用となり、「隼章」を取得するための必須要件なりました。

 

 「信仰奨励章」は、ボーイの初級からその取得について「信仰奨励章に取り組み、ボーイスカウト終了時までに取得するか、その取得に努力する」と改正(H23.9.1施行)されました。ベンチャー章も同様に「信仰奨励章を取得していないスカウトは、信仰奨励章を取得するか、又はその取得に努力する」となり、ボーイ、ベンチャーの進歩の中に組み込まれ取り組みが求められました。

 

 「宗教章」は、ボーイの1級以上のスカウトが授与対象となります(1級スカウトでなくても取り組むコトは可能です)。今後のベンチャースカウトの中には、隼章を取得する前に「宗教章」を授与されている者も出てくると思います。その場合でも「隼章」を所得するためには「信仰奨励章」を取得することが必須要件であることは変わりありません。

 

【2011.06.6 (改) 担当コミッショナー】

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 Q2:自発活動とニーズの関係について

 

 ニーズも自発活動もそれぞれ分かるのですが、それをどうつなげて理解すればいいのかわかりません。 (K.M AVM)

 

 「自発活動」って何でしょう。自分の欲求のままに自らが起こした行動は「自発活動」ですか? 違いますよね。

 言い回しが難しくて申し訳ないのですが、広い意味で 社会環境、自分の心身成長等をより良いモノにするための、自らの気づきに基づいて発案し目的を持って計画し、責任をもって達成することを目指した自らへの関わり・・・ と言えるんじゃないでしょうか。

 実は、この自発活動と「ニーズ」は密接な関係があるのです。上の下線部の特に「自らの気づきに基づいて」の部分を見てください。それが「ニーズ」なんです。それは自分の成長に直結するものなのです。ニーズがなければ自発活動はあり得ないんですよ(具体的にはベンチャーにおけるプロジェクトとしてそれが明確に打ち出されています)。スカウト運動は「自らの成長に責任を持つ」ことのできることをスカウト時代に求め、それを習慣として身につけて社会に出ていく、ことを目的のひとつとして挙げています。与えてもらって成長するのではないのです。自らの積極的な関わりで自らの成長を促していくのです。ですから、この「ニーズ」を汲み上げる・・・というか、自分のニーズを知る(持つ)必要があるのです。是非このスカウティングの本質を理解してください。

 

 スカウティングは「教育」の「育」の部分を担っていると言われています。それはこの「ニーズ」という芽を意識させ、それを自分の力で伸ばしていけるよう、成人が支援することによってスカウトを「育て」ていくからです。日本語では「教育」と表現される言葉も、英語では「Instruction」「Education」と2つの言葉で表されます。知識を与える、教え込むという意味の「Instruction」、能力を引き出すという意味の「Education」、前者は「教」、後者は「育」ですね。「教」では自発活動はあり得ません。「育」であるからこそ、そこに自発活動があるのです。

 

 また、よく語られる「ニーズ」は、もっと広い意味で、というよりもここまで深く考えないで「〜したい」レベルで語られています。どのレベルのニーズを求めるか、はその時々によって変化しますので、決してそれを否定するモノではありません。

 このように、自ずとスカウトのニーズと保護者のニーズ、更には指導者のニーズと では、位置づけが異なってきます。スカウトにとっては、やることが楽しいから「あれがしたい」「これがしたい」ですよね。ですが保護者にとっては、いろいろな活動で「体験をさせること」ではなく、「体験から、とった行動の意味を学ぶこと」となるのではないでしょうか。

 

 また、より深く意味を知りたいのであれば、是非「ちーやん夜話集」を読むことをお勧めます。上部のメニュー「資料センター」から「ライブラリー」に入ってください。そこに掲載されています。「自発活動ということ」と言う項に書かれています。

【2006.04.11 LT-N】

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 Q1:スカウトがなかなか参加しない。プロジェクトができない。

 

 スカウト達が、学校・部活・塾等によって、なかなか時間を捻出できず、活動になかなか参加してきません。またスカウト自身の夢・情熱が漠然としすぎており、ニーズが不明瞭でプロジェクトに繋がりません。どうしたらいいでしょう。 (R.C VM)

 

 スカウトがスカウト活動以外に興味を持つことは当然のことです。

 では、どうしたら活動に参加するのでしょうか。スカウト達が活動に参加する動機と言うか原動力は「楽しい」という気持ちです。この「楽しい」には、いろいろな側面があるでしょうが、最終的には「仲間や指導者との関わりの中で自分自身が成長していくことを感じられることが楽しい」となることが理想的ですね。活動がそんな場であることが大切なのではないでしょうか。

 プロジェクトも確かに大切な事ですが、この様な「場」が基盤としてないと、プロジェクトそのものが何のためにやっていくものなのかがわからなくなってしまうおそれがあります。おそらくモチベーションを維持できなくなり、空中分解してしまうかもしれません。

 ベンチャーの活動は、「企画・計画」→「実施・展開」→「反省・評価」というプロセスを繰り返すことによって、社会における物事の動き(動かし方)の基本を身につけていくことにあります。「知る」ことではなく「身につける」ことです。そのためのトライ&エラーを繰り返すことが大切なのです。

 シニアからベンチャーに変わって、「結果」から「過程」に重きが移りました。「成功」という結果を出すことは(語弊はあるが)必要要件ではなくなったワケです。どんどんエラーをしても良い環境が整ったワケです。ということは、最初からぎちぎちの内容の高度なプロジェクトではなく、それぞれのスカウトのレベルに合った、取りかかりやすいものから始めても良いと言うことです。言葉を変えれば、自分の好きなことをプロジェクトにしてもいいのです。指導者としてスカウトとどんなコミュニケーションを持つか、そこでどのようにスカウトの心の中から、ニーズに気づかせて、引き出すことができるか・・・・・が指導者の大きな役目なのです。

 「楽しい」という花を咲かせてあげましょう。そして、次にはスカウトたちが持つ自分の根っこに気づかせてあげましょう。そうなれば、スカウトが自分にとって大切なものは何か、が見えてくるかも知れません。まずは、そんな「場」「環境」を作ってあげてみてください。

【2006.04.05 LT-N】

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