Q1:女子スカウトの指導について
ボーイ隊の指導者をしています。女子スカウトに指導についてアドバイスをお願いいたします。
以前は「班」というと、上班→班長→次長→担当スカウトという流れがありました。そのため、隊指導者や上班の位置づけもきちんとなされ、隊組織も班組織も序列というものが機能していました。
しかし、女子スカウトの入隊によって、それが崩れてきました。
年功・学年差については、男子スカウトの間では確実に存在します(最近は怪しいですが)。そのため序列があります。しかし、女子スカウトについては、年功・学年差という意識が乏しいのか(女子スカウト間ではそれはあるように見えます)、対男性に対しての社会的風潮なのか、女子特有の性質なのか、序列というものに囚われない、というよりもそれを無視した言動が目立ちます(他にも出しゃばる、連れ立つ、甘い顔をすればつけ上がる、現象だけを見てその原因を考えるには至らない・・・なども感じます)・・・。
声を荒げれば、男子たちは「反省」へと少なくとも意識が移りますが、女子は泣く・反発というマイナスの感情に移っていくようです。
それでも「楽しい」と活動が続けばいいのですが、往々にして1人が辞めると連れだって2人3人と辞めると言い出す始末です。これでは、隊も班も成り立ちません。正直のところ、どう対処していいか解らない状態です。自分の未熟さ故のことですが、よきアドバイスをお願いします。(K.N ASM)
ボーイ隊の男性指導者としては、いちばん苦手な分野で、かつ頭が痛い問題ですね。ちょうど年頃の子どもたちですから。ただ、思うに、これはボーイ隊だけで解決するべきものではないですね。カブのうちから序列というよりは「役割」への理解と、それに従う意識・精神(リーダーシップとフォロワーシップ)を育てていくことが大切なのではないでしょうか。それらも含めてのスカウティングの一貫性になると思います。
また、この年代のスカウト達は、まだまだ社会・生活経験が少ない故、言葉で正しく確実に「あるべき姿」を伝えることは、その理解力(言葉だけでなくその体験的背景を含めて)ではまだまだ難しいと思われます。そうなると理解させるいちばん良い方法は、指導者自らが「範」を示す・・・ことになります。
【担当コミより】
なぜか女性特有の悪い面ばかり表面化してますね。
今までのBSという男社会の活動であったところに、女子スカウトが加入をしてきた訳ですが、日本連盟はプログラムについては変更なしで進めてきました。
その中で、具体的には女性の肉体的な配慮はある程度理解されて活動をしてきたと思われますが、こと女子スカウトの精神面、特にボーイ年代の情緒不安定さを、指導者が十分に理解して指導できるまでの知識と経験を持って・・・・といった段階には残念ながら、組織としては至っていません。指導者の育成が急がれるところです。
今までは、男子スカウトだけの活動で男子特有の良さだけですんでいました。男女混成の班制度に問題を感じているようですが、スカウト運動は「良き社会人を育てる」ことが目標ですから、男でも女でもスカウト一人ひとりの性格や今置かれている環境をよく理解するといった、今まで以上にそのスカウトを理解するための取り組みをすることが必要になります。スカウティングが「個性を伸ばす教育」を掲げているということは、そこまで踏み込んだ教育をするということでもあるのです。それが、私たちが行っているスカウティングという教育運動なのです。
具体的には、班編成や活動の内容についても、指導者だけでなく、保護者の理解と協力を得ながら隊運営をしていくことがボーイ隊のこれからの課題と思われます。特に隊指導者だけでスカウトを育てていくことはできないのですから、スカウティングの目的と方法、隊と家庭それぞれの役割をきちんと理解してもらうための取り組み(保護者の勉強会等)をして、家庭(保護者)と隊(指導者)とのネットワークを作ってみてください。
また、女子スカウトが活動している隊ですから、女性指導者はいますよね。その女性指導者はどのように位置づけられ活動しているのでしょうか? 機会を設けて、男性・女性指導者と協働の在り方をもう一度考えていただき、それぞれの長所・利点をもって指導ができるよう、是非とも話し合ってみてください。
【2007.08.20 】
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