日本ボーイスカウト茨城県連盟
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 Q12:「キャンプ」を実施する隊長には資格がいるの?

 

 テント泊の「カブのキャンプ」を行うには、その責任者である隊長にキャンプ技能が求められるのは分かるのですが、ウッドバッジ研修所の修了以外に「資格」が必要と聞きました。本当でしょうか? それは、どんな資格で、どうすれば取得できますか? (K.F CM)

 

 スカウトたちが最も好きで楽しみにしているプログラムはキャンプです。

 しかし、このキャンプについては、その「実施レベル」はそれを行う隊指導者によってまちまちとなっています。県連盟としては、多くのスカウトに等しく野外活動やキャンプの醍醐味を味わっていただき、それを成長へとつなげてもらうべく、指導者に対して支援をしていくことが重要な任務となっています。

 

 そこで、まず指導者の野営技能を底上げし、かつキャンプを運営する隊長や副長には総合的なキャンプ運営能力が獲得でき、スカウト達に一定レベル以上のスカウトキャンプが提供できるように、県の定型訓練として「野営法講習会」「野営法研究会Step1」「野営法研究会Step2」を設け、隊長や副長、副長補といったスカウトに直接キャンプを指導・管理する立場の指導者に、スカウトキャンプ全般を段階的にレベルアップしながら修得できるようにしました。

 これは同時にボーイスカウトという組織が行うキャンプに対して、「質」を確保することで、万一事故が発生したときに民事・刑事責任から指導者を保護し、保険に対して適切な執行を求めると同時に、保護者や地域社会に対してボーイスカウトの指導者の位置づけを明確にする等の組織責任を果たすことでもあります。

 

 現時点では、県内のスカウト活動(キャンプ)で、大きな事故は幸いながら起きていません。しかし、大きな事故に繋がりかねない事故は、年々増えています。その原因を探ると、適切なキャンプ指導がなされていない、指導者が野営法のごく一部を囓っただけで指導しているという実態が見えてきます。全国的に見ると、過去にスカウトの死亡事故が何件か起こっています。指導者は善意のボランティアであるが故に、それによって被るあらゆる面での不幸は甚大なものとなってしまいます。

 安全で安心なスカウト活動を行うには、まずはその推進者である隊長・副長が十分な知識と技能と経験を積んでおり、それをもってスカウトの指導にあたっていることが求められます。それに加えて「安全」に対する知識・技能の備えと、それを多方向から確保するための保護者等との人間関係をも求められています。これらを確保するための研修です。

 

 「野営法講習会」「野営法研究会Step1」「野営法研究会Step2」は、県定型訓練として設定していますので、ある見方をすれば、「やらされている」「やらなきゃならない義務」と受け取られている面があります。決してそうではありません。

 皆さんが指導者になったときのことを思い出してください。「この子供達に素晴らしい体験をさせてあげたい」「この子供達の能力を伸ばしてあげたい」「将来に役立つ体験をさせてあげたい」などの「熱意」がそこにあったでしよう。

 それをもっともっと良いカタチで提供できるように、今まで以上に子供達の瞳が輝くように、そして安心で安全な活動となるように、知ったり、確かめたり、気づいたり、やってみたり・・・・することで、指導者自身が今まで以上に良いプログラムを作って、スカウトに提供していただくための、自分自身を高めていく「場」が、県や地区で行われているいろいろな指導者研修なのです。

 その中で、万一の事故の時に対処するために、また事故を起こさないために指導者として最低限身に付けていただきたい技能を獲得するために「県定型訓練」として、救急法、安全、野営法を設けている訳です。

 中でも野営法について、その関わり度合いや受け持つ部門のレベルによって求められるレベルが異なることから、前述のように「野営法講習会」「野営法研究会Step1」「野営法研究会Step2」を設けています。これらの研修を受講することによって、それぞれの部門のキャンプに求められる運営・管理・指導能力を、全般に亘って、その任務に応じて身につけられたと見なします。

 

 何度もくどくて申し訳ありませんが、ボーイスカウトとして、スカウトに安全で安心な、なおかつ魅力あるプログラムを提供することを目的とした制度です。ですので、これを負担ととらずにWin-Winの関係と理解して、ご参加いただきたいと思います。

 

【2011.06.25 担当コミ】

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 Q11:新訓練体系・・・負担なんですが。

 

 この度、県連から送られてきました茨城県連盟の新指導者養成訓練体系についてお伺いします。もう既に十分な研修を受けている指導者についても、これらの研修を受けなくてはならないのですか? また、この訓練体系を定めた意図はどこにあるのですか?(K.W AGM)

 

 まず、大きな理由としては、この数年スカウト数が毎年大きく減少しています。その減少は新規入隊数よりも途中でやめていくスカウトの数が多いことによります。つまり、ボーイスカウトに魅力がないか、期待に応えられていないことによるものと思われます。

 

 どうして魅力がないのか、期待に応えられていないのかを探っていくと、現代の子供や保護者が求めている青少年像とスカウト活動がズレている、スカウト活動のねらいが見えない、親の負担が大きそう(大きい)、指導者のプログラム展開能力が不足している、指導者がスカウトや保護者のニーズを汲み取っていない、指導者の仲間意識が強く閉鎖的・・・などの声が聞こえてきます。

 これらについては、これまで組織的に対応することはできませんでした。一部は地区コミッショナーが解決していたと思いますが、対症療法でしかありませんでした。

 

 もちろん、着実にスカウト数を増やしている実績を持つ団もあります。 しかしながら、多くの団では、今なおスカウト数が減少し続け、団中のある隊のスカウトは0人となっているところも珍しくない状況です。

 これまで、ボーイスカウトが隆盛を見せていたのは、時代に後押しされていたこともありますが、その大きな理由は、魅力あふれる指導者がどの団にも多くいて、スカウトや保護者の心を掴んでいた・・・・ということがあります。また、ボーイスカウトの連盟は、その創設当時から指導者育成を大きな柱として、情熱を引き出し維持できる組織作りと支援体制づくりをしてきました。

 

 それが、バブル崩壊と同時期に世界機構から提唱されたアダルトリソーシスという考え方により、指導者訓練の方法を、スカウト体験をメインとした人間味あふれる指導者作りから、組織をきちんと運営できる指導者を、グループワークによる話し合いによって育成していく・・・に大きく転換しました。そのことが原因かどうかは定かではありませんが、時期を同じくしてスカウト数の減少が始まりました。もちろんそれだけでなく、世相・世代、時代的な逆風もあるでしよう。

 これについて、茨城県連としてもただ手を拱いていた訳でありません。県コミッショナーを中心に、「こんな指導者がいいなぁ」というイメージを作り、それを実現するにはどんな指導者育成を行っていけばいいのかを研究してきました。最初に取りかかったのは、コミッショナーグループのレベルアップです。指導者を直接支援するコミッショナーのレベルアップです。続いて、研修や訓練を提供するトレーニングチームのメンバーの資質向上です。研究チームを設け、課題を研究し、また、毎年個人で課題研究をしそれを報告したり、ワークショップを開いて研究内容を発表しています。このような取り組みを経て、昨年、漸く新指導者養成訓練体系を公表しました。

 

 この新指導者養成訓練体系の詳細については、各団に「指導者研修の手引」を配付しておりますので、それをご覧いただくとして、県連としては、「ボーイスカウト活動」を展開・運営する指導者は、任務(隊長・副長など)に応じた標準的に身につけているべき知識や技能、そして私たちがスカウトであるためのスカウト精神を、身につける場(研修)として新指導者養成訓練体系を示したわけです。

 その構成は、すべての指導者が身つけるべき「基盤研修」(野営法講習会、指導者救急報講習会・基本など)、就任した任務に求められることを身につける「任務別研修」(野営法研究会、安全セミナーなど)を県定型訓練として、また、プログラム展開に役立つ技術的研修である「スキルアップセミナー」、スカウティングの各種方法の基本をより深める「スカウティング基本セミナー」として、現在実施しています。

 

 さて、今まで十分な研修を受講された指導者が、最初からこの訓練体系に基づいて研修を受講しなければならないか・・・というと、そんなことはありません。今まで受講された研修によっては、新訓練体系の研修を受講したと読み替え措置をしています。しかしながら、救急法のように毎年のように内容が修正されたり、教育指導要領やボーイスカウト組織の規定改定等により内容が大幅に変わったものによる更新もあります。また、受講したのがずいぶんと前で内容を覚えていなかったり、その後自己流でおこなってきた・・・なんてものもあるでしょう。そのため、3年間の移行期間を定め、その後には、すべての指導者が標準をクリアしていることとしたのです。それが、教育運動としての、このボーイスカウト運動の位置づけや在り方から必要であり、また、それによって社会から教育団体としてのボーイスカウトが正しく理解されることとなるのです。

 

 このように、指導者は個々の資質を向上することで、先に述べた「ボーイスカウトに魅力がない」「期待に応えられていない」の解消を図り、「ボーイスカウトはすごい」「さすがはボーイスカウト」という評価を得ることで「スカウトの獲得」につなげていく・・・・・という計画で動いているのです。

 

 指導者の皆さん、これらの研修に参加して、知識や技能、そしてスカウト精神だけでなく、仲間の輪ができ、活動も視野も広がり、そしてなによりも情熱とそれを燃やし続けるエネルギーを獲得しましょう。

 研修が終わった次の隊集会では、あなたの周りのスカウトの瞳の輝きが違っていることに、あなた自身驚くと思います。それは、研修によって、あなたが一回り大きくなったのと、自信がいろいろなカタチとなって出ているからです。

 

【2010.09.23 担当コミ】

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 Q10:名誉とは?

 

 勉強が足りなくてすみません。「名誉」です。漠然とはわかります。でも具体的に何か・・・と言われると、説明できません。教えてください。よろしくお願いします。 (A.N AVM)

 

 

 「名誉」ですか、本質部分ですね。

 その前に、連盟歌「花は薫るよ」の歌詞をみてみましょう。

 

 花は薫るよ 花の香に

 日は輝くよ 日の光

 我らに名誉の 重きあり

 香りか 光か ああ名誉

 

 この意味をお解りですか? とにかくすごいというか素晴らしいというか、このわずかの言葉でスカウトの在り方を言い切ってしまっています。

 

 花は「香り」があって、初めて薫る・・・言い換えれば、自ら香りを放って薫ることによって、花としての価値を生み出し、存在を示している(自発)。日(太陽)も、自ら光を放つことによって輝き、その存在を明らかにしている(自発)。我々をスカウトたらんとしているものは「名誉」なのである。名誉がなければスカウトではない。それほどまでに重く、そして切り離すことはできないものなのである。自ら放つ「香り」そして「光」、そして我々が自ら放つもの(自発)は、そう「名誉」なのである・・・・・。

 

 いかがでしょうか?

 ますます、混乱してしまったでしょうか? 名誉を説くのに「花」と「日」をもってくるところに素晴らしさを感じます。さて、ちーやん(「中村 知」先達)の著した「ちーやん夜話集」に、そのものズバリのものがあります。ここで紹介しましょう。

 

 

●名誉とは

 

 スカウトのちかいの前文に「私は名誉にかけて次の三条の実行をちかいます」とある。この「名誉にかけて」とは一体どういうことなのか? 指導者がスカウトにこれをどう説明すればよいのか? 私はかってある研修所の事前課題に、この問題を出したことがある。その答案は、辞書で「めいよ」をひいてみたり、名誉心とか名誉欲とかを一応あたってみたが、どうもうまく考えがつかないという答えが多かった。然るに、おきての第一に、このことは明白に出ているのである。それに気づいて答案を書いた人は僅か3人位しかいなかった。おきてのヨミが足らないナーと私は直感した。

 

 スカウトは誠実である。

スカウトの真の資格は信用され得る人間にのみ与えられる。嘘を云わず、ごまかしをせず、信頼されて託された任務を正確に行うことなどは、すべてスカウトの名誉を保つ基礎である。

 

 以上がおきて第1の全文である。多くの者は前文だけ暗記して全文を読んでいない。前文を除いた残りの文は本文でなく、説明文或いは副文であるという説がある。私はこの説に反対する。全文が本文である。これは故中野忠八先生(起案者だった)から直接私へのお話に従ったものである。ただ、初級になる少年には全文の暗記は無理であるから前文だけを誦えることになっているにすぎない。然し少なくとも、15才以上の者は全文の暗記が出来ないこともあるまい。努力次第だ。もし暗記できなくても全文を朗誦するようにしたい。なぜか、というに、15才以上の年長スカウトは、一段とおきての実践に峻烈さを要望されるからである。

 

 「信頼に値する人」とは「責任を果たす人」であり、「誠実な人」である。名誉とはそれに値するものである。故に、誠実−−−責任−−−信頼−−−名誉、の四つは互いに原因であり結果である。「信頼される」ということが「名誉」になる。「自己を裏切らない」ということが責任の第1段階、すなわち「自分が自分に対する責任」を果たすことである。「他人への責任」「社会への責任」「国への責任」などは、この自己への責任の土台の上にこそ建てられるべきものである。自分が自分に対する責任を怠っていたのでは、他に対する責任など建てようがない筈であるが、古来日本人は命令者(権威)に対して奴隷であったため、その方への責任が恐ろしくて自分への責任を放棄していた。基本的人権を自分から棄て去っていたのである。そしていかにすれば責任を免がれるか、転嫁し得るか、巧みに逃げるかの術を研究したものである。−−−現今でも。

 

 こういう権威に対する屈従による自己否定の仕方は、本当の没我でも無我でも捨身でもない。自責の念に堪えんなんていうが、それは弁解にすぎない。自己が自己に対する責任をとことんまで尽くし果たして、それが不幸、果たし切れないときに身をすてるなら筋は通る。即ち、そういう時には他人に対する責任も併せて達成できないから、オメオメ生きていられないということになる。B−Pが「スカウティング・フォア・ボーイズ」の中の、責任という項で船長は難破の時他の全員を助けるよう努力し、最後まで船に残って船と運命を共にすることを名誉だと教えられている。と記している。B−Pはそれ以上の説明をわざとしていないが、かように自分の死をかけている船長であるから、人々は安心して乗船するのである。もし、まっさきに脱船するような船長だったら誰がそんな船に乗るもんか、と、いうことになる。つまり彼は乗客から絶対に信頼されている。それが船長たる者の名誉なのである。不幸にして自己に、そして他の人々へ、国へ、神へ、最善を尽くしてもなお及ばなかったとき、ネルソンは“ I have done my duty ”と叫んで斃れた。dutyという言葉に相当する日本語がないのは残念である。

 

 「名誉にかけて」という言葉は、英語では「死をかけて」というほど絶対な厳しいものだとB−PはS.F.Bに書いている。

 私は、これを「自発活動の極地」であると思うようになった。

“かおりか光か、ああ、名誉!”香りと光は、自発する。  (昭和31年4月4日 記)

 

【2007.12.21 担当コミ】

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 Q9:転団したい

 

 友人の紹介で、子どもがスカウト活動を始めました。友人の団の活動を見て加入を決めたのですが、住んでいる地域が別の市であったために、在住する市にある団への加入を進められその団に入りました。しかしその団は、あまり活動がなく、また内容も期待したものではありませんでした。また、指導者が団役員に振り回されているようで、本当に子どものための活動になっていない点が多数見受けられています。子どもがボーイ隊にあがり、他の団のスカウトの活動を知る機会が多くなり、本人も隊長が不在の今の団への不満を相当感じているらしく「あんな活動がしたいんだ」とよく漏らしています。このような中途のタイミングですが、できればきちんとした運営がなされており、子どもの期待に沿える指導者のいる団に移りたいと思っています。可能でしょうか? (H.U 保護者)

 

 回答に窮する質問です。結論から先に言いますと、どの団に所属をするかは個人の意思ですので、自分が求める活動をしている団への転団は可能です。

 ただ、この質問にはいくつかの考慮すべきポイントがあります。転団するか否かは別として、それについて述べたいと思います。

 

●スカウト運動に入るきっかけ

 加入のきっかけとなった団の活動と今の団の活動をどうしても比較してしまうことと思います。やはり、「不満」であり「失望」といった感情を持ってしまったということはわかります。ここで、スカウティング意味をきちんと理解している指導者であれば(そんな指導者であれば、こんなことはなくきっと魅力的な活動になっているとは思いますが)、そのスカウトに対して、現状を打破するために、自分はどのように関わっていけばいいのかという指導をしていくと思います。スカウティングは指導者から与えられるだけのものではありません。自らの積極的な関わりによって、個々人が作り上げていくものでもあるのです。このことを理解している団委員・指導者がいれば・・・のことですが。

 

●居住市町村にしばられる?

 団はその本部を置く「市町村の名称」を冠することになっています。しかしながら、その市町村に居住する子どもがその市町村のある団に加盟しなくてはならない・・・という規定はありません。団・隊の活動は、どこも同じではなく、学校(学級)が先生の個性によって異なるように、隊活動も隊長や隊指導者の個性によって異なっています。学校教育は学習指導要領によって定められています。しかし、ボーイスカウトの活動は、部門ごとの目標や進歩課程はありますが、隊集会の活動内容については、隊の指導者にゆだねられているところが学校と異なるところです。そのため、スカウトは、自分の求める活動を実施している団・隊を選ぶことが出来るのです。現に水戸市やつくば市の団では、団のエリアを決めておらず、好きな団に入ることができます。

 ただし、ここで考えなくてはならないことがあります。各団の活動は地域に密接して活動していると言うことです。それは、団の属する市町村の祭りや行事への支援等奉仕がありますが、それにも参加しなくてはならないということです。また、活動も居住地から離れたところで行われますので、送迎等が必要になります。

 

●あまり活動がなく・・・・・多数見受けられています。

 これは大きな問題です。しかしながら利益団体の組織ではありませんので、いろいろな人の気持ち・関わりで作り上げられた組織ですから、なかなか改善・修正がむずかしいところでもあります。ただ、往々にしてこのような団で言えることは、主役である子どものタメの組織ではなく、組織のための大人の組織となっているケースが多いことですね。例えば、県の行事や全国イベントに代表として出場する・・・ということは、子どもにとって大きなチャンスです。そこにエントリーするかしないかはスカウトが決めることです。それを団に連絡のあった段階で、団の大人の都合で勝手に握りつぶしたり、キャンポリーなどにも指導者の都合や機嫌でスカウトを参加させなかったり、分担されている団のプログラムを出さなかったり・・・・等、スカウトのためでなく、大人の都合で団を動かしてしまっているのでしょう。

 でなければ、団や隊の指導者が「ボーイスカウト運動」の仕組み(団は「運営」、隊は「教育」。団委員は教育には携わらない!!)そのものを知らずに、他の団体と同じような意識で組織を運営してしまっているのかもしれません。いずれにしても、この運動の目的と目標、そして理念をきちんと理解して組織運営、教育をしていくことが大原則となりますので、コミッショナーとしても改めて基本的事項の理解と周知、そして団委員・指導者の意識の改善に務めていきます。

 

●隊長不在・・・・

 これはあってはならないことです。責任者不在で活動することは許されませんし、それを黙認している団委員会は、保護者の代表としての機能を果たしていないということです。そのことは、ボーイスカウトという「名」の実績と信頼を著しく貶めることであり、直ちに改善することが求められます。このような事態は、今まで地区コミからも耳に入ってこなかったということは、表に出ないようにしていたのでしょうか? いずれにしても、すぐさま改善をしなくてはなりません。これについては、地区コミを通じて改善指導します。折しも、来年度の年次登録の前に全国一斉の調査と各団隊へのヒアリングをすることになりましたので、それで顕在化すると思います。組織の名誉は、個人の名誉そして信頼の積み重ねの上にはじめて成り立ちます。「人がいないので仕方がない」は通用しません。団を維持運営する以上、指導者を確保することは団委員会の義務であり、スカウトや保護者に対する大きな責任です。また、この状態に起因する事故が起こった場合、単に団だけの問題ではなく、日本全国すべてのボーイスカウトに波及し重大な影響(被害)を与えることになります。この運動に運営者として関わる者であれば、このことを十二分に認識してコトにあたっていただきたいものです。スカウトの「ちかい」と「おきて」を自らの姿勢として実行するのが、この運動に関わる成人の義務であると認識してください。それによってボーイスカウトの名誉が保たれるのです。

 

●中途のタイミングで

 スカウトたちは「班」を組織して、その中で役割を分担し、実行していくことで社会人としての役割の第一歩を踏み出します。また、先輩から教わり、それを自分で高めていき、そして後輩に教えていく、このプロセスは子どもを大きく成長させます。そして他の班との切磋琢磨は、チームとしての班の意識をより高め、高みを目指すこと・困難に立ち向かうことで絆が生まれ、仲間と共に達成する喜びを得、達成することで感動を分かち合い、励まし合い、感謝しねぎらう・・・といった、社会性そして個人の資質を養ってくれます。そのためにボーイスカウトでは「班制教育」をおこなっているのです。ボーイ隊でこの「班」の一員としてそこにいることは、このことを実行していく責務があります。それはとても大切なことですから、このことを無視して、単なるプログラムの優劣だけで転団を決めては困ります。

 

 もし、班としての機能も活動もないのであれば・・・・・、だめとは言えませんが。ただ、最初にも言いましたが、スカウティングは与えられるだけのものではありません。自らの積極的な関わりによって、個々人が作り上げていくものでもあるのです。そこには3つの務めがあります。「神への務め」「他の人への務め」「自分への務め」です。自らの意志でこのスカウト運動に加盟したわけです。しかもスカウト活動は、与えられたものを楽しむことではなく、自らの責任ある関わりで自分自身を高めること、周囲の環境を良くしていくことがその目的です。自分はどうすればいいのか、どうあればいいのかを考えて実行していきましょう。

 もし、「転団したい」と隊長に告げたとき、隊長自身がそれまでの活動を振り返って、自分はどうすればいいのか、どうあればいいのかを考え、そして改善策を打ち立て、それを実行していく姿勢を見せたら、自分にとって価値のある隊を隊長と共に築きあげるまたとないチャンスでもあります。まずは、隊長に気持ちをぶつけてみてください。

 

【2007.11.30 担当コミ】

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 Q8:事故における保険(共済)の手続きについて

 

 団行事の夏季キャンプで、スカウトがちょっとした怪我をしたため、大事をとって救急病院にかかりました。

 この費用は、主催者である「団」が当然負担をしたのですが、この費用負担をスカウト共済で申請すると、その手続きはすべて怪我をした当事者(個人)が行い、その共済金の振り込みも個人にされると聞きました。団組織・県連組織を通じて加入登録をしているにもかかわらず、それ以降の事務処理はついて団には(県連にも?)通知も連絡もないため、処理状況の把握もできず、また、振込金を当事者から団に納付してもらうことになるなども含めて、心情的にも当事者がすべてを行う・・・ことは、適切ではないと思われるのですが、現状はどうなのでしょうか? 今後は、個人でも団でも事務手続きが選択できるようにするなど、ユーザーに実情に即した改善を求めたいと思うのですが、どのように上申したらよろしいのでしょうか?(K.S GM)

 

 事故につきましては、いろいろなケースが想定されます。すべてのケースに対応することは難しいとは思いますが、不都合には改善する努力をするのが、このボーイスカウトの組織ですので、必要な改善提案は是非ご連絡ください。連絡方法等につきましては、これから日本連盟に確認を取ります。

【日本連盟より】

 お申し出の内容のとおり、現状、給付金の請求は個人から日本連盟宛提出頂き、なおかつ給付金の送金も個人の指定口座に支払っております。

 

 これは、受傷者本人(もしくはその保護者)に事故の内容 を報告書に記載させることは、団等のいわゆる第三者が記載される内容よりも正確さが増すのが一般的だからです。最初の電話により事故報告は事故があった事実とその概要を報告させる為のもので、この程度であれば第三者である団からの報告で構いませんが、最終的な有無責判断の根拠となる給付金請求書には正確な事実が絶対的に求められますので、出来るだけ受傷者本人(もしくは保護者)に記載いただくようにしております。

 

 また、給付金請求書を団に記入させた場合、記入された内容が事実と相違し(故意であるかどうかを問わず)、事実は有責であるにも拘わらず、記載された内容によって免責と判断されて処理した場合(またはその逆)の責任の所在やトラブル処理について、誰が責任をとるかといった問題にも発展します。(規約上でも、給付金請求において不実のことを記載したり都合の悪い事実を敢えて報告しない場合は詐欺行為として免責としております。規約第15条。

 

 以上申し上げましたが、但し第15条には、“給付金を受け取るべき者(これらの者の代理人を含む)”とありますので、絶対に個人でなければいけない訳ではありません。団に請求書を送付しなおかつ給付金も団の口座に送金する場合には、団はあくまでも代理者の立場ですので、受傷者本人から団を代理者とする旨の承諾を取り付けておく必要があります。(書面にて)

 

 ただ実際の実務において、治療費を負担した団から給付金の請求があった場合に、本当に当団が受傷者の治療費の全額を負担したかどうかという点の立証が難しい面もあります。(受傷者が団に知らせないまま通院する場合も想定されます)

 

 従いまして、治療費を負担した団には共済規約に基づいて給付金を請求する権利はあるかと思いますが、実際の実務上においてはこれを認める手続きが煩雑になるため、受傷者が請求者となって給付金を受け取るという簡素化した仕組みを取っております。

 

【2007.09.28 担当コミ】

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 Q7:活動中の飲酒と事故について

 

 先日、県連盟より「夏季の諸活動に向けて」という通達がありました。内容については教育に携わる指導者としてもっともなことです。そこで質問なのですが、指導者が飲酒をして、その時もしスカウトが事故で怪我をしてしまった場合、保険は適用されるのでしょうか?(A.N CM)

 

 「飲酒」については、キャンプ等の宿泊を伴う活動の場合、スカウトが寝静まってから「お疲れ様」的に慣行として行われているようです・・・。

 個人レベルでは「たいしたことはない!」ことかもしれません。しかし、教育に携わる者という以前に、1人の親として考えた場合(指導者に預ける、または自分の子どもに対して)、本当にそれでいいと思いますか?

 通常キャンプというと自然が豊かな場所で行われる事が多いと思います。ということは、街中から離れている、救急車がなかなかやってこられない、また救急車を呼ぶにも携帯の電波が届かない・・・など、救急支援体制が整っていない場所ということでもあります。

 

 さて、そんなところで自分の子どもが怪我をして、すぐさま病院に運ばなければならない状態になってしまった・・・と想定します。ここで、飲酒をしていなければ、次の問題は起こりません。

  ・容態の判断に正確性が持てない。

  ・初期救急対応ができない。

  ・自動車を使って緊急搬送することができない。

言われれば当然のことです。

 

 特に緊急搬送については、無理すればできると思われるでしょうが、それは大きな間違いです。子どもが事故ということで運転者が正常な心理状況ではないこと。つい自分の運転が優先で無理な運転をしがちになること。それが対向車など他を巻き込んだ事故につながる可能性が非常に高くなること。これは酔っていなくても起こり得ますが、酔っていることは、正常な運転ができないということですので、さらに事故の発生率は高くなります。自分の子どもの命を救う行動が、自分や全く関係のない人の命まで危うくすることになるのです。

 

 さて、スカウト活動においてはどうか・・・を考えましょう。指導者は保護者の信頼を得て活動を行っています。同時に指導者としての責任も受容して任を受けています。「安全の確保」とは、スカウトを保護者から預かり、活動をして、無事に保護者にお返しすることでもあります。そこには信頼関係があります。保護者と指導者の間だけでなく、保護者とボーイスカウトという「名」の組織の間にもあるのです。

 指導者は、その持つべきスキルとして「救急法」を修得していることが求められています。そのため毎年「救急法講習会」が開かれています。すべての指導者がそれを修得している訳ではありませんが、隊の指導者を個々ではなく「チーム」として考えれば、「救急に対する備え」への対応率は高くなるでしょうし、そうなれば保護者との信頼関係も築くことができますね。「チーム」=「班」です。班は班員1人ひとりが任務を分担し、それを責任もってきちんとこなすことで「班」を高めていきます。隊の指導者も同じです。

 飲酒については、それぞれが自分の「責任」を考えたとき、「飲まない」からもう一歩進んで「(指導者の責任として)飲めない!」の意識になっていただけることを期待しています。

 

 さて、本題に戻りますが、子どもに事故があったときに指導者が飲酒をしていた場合、保険に加入しているのはその子どもですから、保険の対象になり保険金は支払われるそうです。ただし、これは保険の話。飲酒に対する指導者の責任は別です。こちらは、事故の度合いにより民事事件ともなり得ます。しかし、それ以前に先に述べた「信頼」が失われ、今後活動を続ける上で大きな妨げになることは避けられないでしょう。

 

 「ルールを守る」ことをスカウト達に求めている我々指導者は、どうすればいいのか、どう在ればいいのか、是非ご自分で判断してください。

 

【2007.06.30 担当コミ】

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 Q6:ボランティアとスカウティングについて

 

 私たちはボランティアとしてスカウト活動に関わっていますが、自分のあいている時間を活用しての本来のボランティアの考えで関わると、隊に迷惑がかかると言われました。スカウティングはボランティアではないのでしょうか? どのような意識で関わっていけばいいのでしょうか?(K.M ACM)

 

 回答する前に「ボランティア」についての共通理解をしたいと思います。

 

 一言で言えば、社会や地球のために役にたつことをする、報酬を目的としない行為のことをいいます。ボランティアという言葉は「志願者」あるいは、「自分から申し出る」という意味の英語(volunteer)です。私たちが住んでいる地域社会には、学校や職場の友人、おなじ町に住んでいる人など、たくさんの人たちがいます。そのなかには、いろいろな事情でやりたいことができずに困っている人がいます。みんなが良い暮らしをしていくためには、できる範囲で少しずつ助け合うことが必要です。人間だけでなく、たいせつな地球の自然を守るためにも助け合いももちろん必要ですね。これがボランティアです。

 

 私たちボーイスカウトは、青少年の健全な育成をいう面から、社会に対してスカウティングを展開しています。これは世界中のどの国でもおなじ理念・目的をもって、平和で豊かでともに手を取って生きていける社会にするために、子供たちが自分自身を磨いて自立し、社会に出て役立つようその成長を支援してこうという運動です。この運動にかかわる成人は、ボランティアです。

 

 ボランティア活動に報酬はありませんから、我々ボーイスカウトの指導者にも報酬はありません。それは、ボランティアとは「だれかのためになにかをしてあげたい」という純粋な気持ちを大切にした活動だからです。ですが、いい加減な気持ちで取り組んではいけません。だれかに「何かをしてあげる」ということは責任をもってきちんと取り組んでいくという意志(決意)と姿勢が必要です。「してあげたい」という気持ちと「責任」、その両面がなくてはなりません。

 自分以外の人のために、お金をもらわないでなにかをすることは簡単なことではありません。でも、そこにはかならずたくさんの出会いがあります。そして、たくさんの友だち、仲間ができます。さらに、そのときにあなたにかえってくる「ありがとう」の一言は、あなたを、きっと豊かな気分にしてくれます。ボランティア活動はあなたの「心」を育てる栄養になるはずです。

 

 さて、これがボランティアの基本です。「本来のボランティアの考え」と合ってましたか?

 

 スカウト運動は、特に「教育(Education)」という大きな役割を担っています。子供たちへの教育は短期間ではなく、幼年期から青年期にかけての長い時間をかけて行われます。ボーイスカウトも同じです。スカウトたちに良い「性格・資質」が定着するには長い時間がかかるわけですから、それに関わる指導者は、ある一定の期間、継続して関わっていく責任があるのです。ですから「あいている時間」といった関わりでは、スカウトたちへの教育の責任を果たせない・・・という意味から「隊に迷惑がかかる」と言われたのだと思われます。

 

 また、ボランティアでもうひとつ大切なことがあります。それは、どこでボランティアをするかということです。自分自身が発案して自分自身で実行するのであればこれから述べることは必要ないかもしれません。しかし、多くの場合、あるグループ、チーム、団体(これらを「組織」といいます)に入ってボランティア活動をしていくことになります。それらの組織には、その組織の意図があります。それを無視することはできません。その組織の考え・目的・方法など(組織理念)を理解しそれを受け入れることができたならば、その組織でボランティア活動ができます。というのは、それらの組織はその理念を社会的に認められ、信用を得ているからこそ存在しているのですから。

 そこで勝手な行動を起こすことは、ボランティアを否定することになり、「だれかのためになにかをしてあげたい」という純粋な心を持つ多くの人たちを、いやボランティアそのものを窮地に追いやることになります。もし、自分の意図しているものと方向が違っていたら、その組織ではなく、別の組織を探すか、自分自身でやってくこと・・・がボランティア活動の大原則となります。「だれかのためになにかをしてあげたい」という純粋な心は、自分を押しつけることではないのです。どうか、そこをご理解いただきたいと思います。

 

 スカウティングは教育活動です。ですから、それに関わる指導者はボランティアとは言えども、自分を磨き、高めることが求められます。学校の先生が授業の内容を十分に理解していなかったら教えられません。しかも先生たちは生徒が理解しやすいように、常に授業の方法を研究してトライ&エラーを繰り返し、自分の教師としての能力を高めています。それは私たち指導者も同じです。ボランティアですがそれを求められます。唯一違うのが、「教える」のではなくて、指導者自身がそれを楽しく実践している姿をスカウトに見せて気づかせ、共感させて、彼らの心を動かし実践へと導いていく・・・ということです。だからスカウティングは楽しいのです。大人にとっても魅力があるのですね。

 

【2007.05.18 担当コミ】

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 Q5:団の意向に沿わない隊の活動について

 

 隊の活動の方向・方法が団の意向に沿わないらしく、団からいろいろと意見が出されます。隊の指導者としては、楽しく実りのある活動を実践していると自負しているのですが、やりづらくてしかたありません。どうしたらよいのでしょうか?(K.S ACM)

 

 よくスカウティングは大河に例えられます。スカウティングの目的という河口を目指して進むのですが、それはどのように進んでいってもかまいません・・・というものです。しかし、それをそのまま鵜呑みにして実践されると困ります。というのは、スカウティングは個人ではなく、組織を通じて行われるものだからです。このあたりを解説しましょう。

 

 スカウティングの一貫性という言葉は聞いたことがあると思います。入口のビーバーから出口のローバーにかけて、スカウティングの7つの方法を効果的に活用して、それぞれの年齢に適合した方法で教育活動をしていく・・・・というものです。ビーバーからカブへ、カブからボーイへ・・・と繋げていって、ローバースカウトという実証期間を経て社会に送り出すことが、本来あるべきこの運動の姿です。そのリレーションのために「団」があり、それを「団委員会」が司っているのです。

 団委員会は、各隊の教育方法(スカウティングの方法に基づいたものであるかどうか)についてと、代表監督者として「安全」面の確認や必要な「支援」について、団会議という会合で確認をしますが、具体的な活動内容については、口出しはしません。それは、スカウトの「ちかい」にも基づいていますが、隊長を信頼し任せるというシステムになっているからです。隊長はその信頼に応えて、隊の運営をしていくわけです。

 

 この信頼関係がなくては、スカウティングそのものが成り立ちません。隊長・副長は団委員会が任命します。隊長や副長は、受任に際して、スカウティングの原理・原則・目的・方針、そして団の方針を受容していることが大原則となります。それは、自分の主義主張を前面に出した隊活動ではなく、団の方針の即した隊活動を実践するということを自分自身に確認し、それを実行することを容認して受任をするということです。

 

 ただし「任命」という言葉は使っていますが、あくまでも会社のような上司(任命権者)と部下の関係ではなく、「(団委員会)こどもたちの教育を責任を持ってよろしくお願いします。」「(隊長や副長)わかりました。スカウト達のよりよい成長のためにスカウト精神に則り責任を持って隊運営・指導をします。」といった相互の位置づけと職務の確認と手続きと考えてください。このような相互の信頼関係の上に「団」は成り立っているのです。ですから、任命に当たっての規定はありますが、辞任に当たっての規定は敢えてないのですね。

 

 団の方針はいわばローカル・ルールですが、地域性や団の設立の背景や位置づけ等によって、また日本連盟や県連盟の構成単位として、そしてスカウティングの名誉を保つ実施単位として、それぞれの団が持っているものです。この団の方針は、団委員会がつくるのではなく、団の総意で作られるものです。ですから、決して押しつけられるモノではありません。スカウト運動に関わる者だけでなく、常識的社会人であれば十分に理解できるモノであり、自ら受容できるもののはずです。先の大河で言えば「うちの団(船団)は、各隊(船)をこう繋げて下っていこう」という共通理解です。

 もし、その方針に不適切な部分があれば、団会議(団委員会ではありません)という場で話し合って修正すればいいですね。それでまた共通理解を持って団が運営できればいいのですから。

 

 さて、「楽しく実りのある活動を実践していると自負」されて隊活動を行っていることは良いことではありますが、次の点をもう一度再確認してみましょう。

 1.スカウトの心身の成長に繋がっているものであるか

 2.その「成長」への支援は、継続的に提供されているものか(適切な上進による次の隊への継続)

 3.団の方針、スカウティングの方針に沿ったものであるか

 4.団、そして保護者からの支持はあるか

です。一生懸命にスカウティングをしていると、ちょっと陥りやすいのがこれらです。

 

 スカウティングは、自分の思ったとおりに実施できるものではありません。スカウト運動の方針に基づいて、それに則って実施されなくてはなりません。それを自ら受容して「ちかい」をたて、「おきて」を実践することを宣誓して、初めて、制服を着て、スカウティングを実践することが許されるのです。

 

 こう書いてしまうと、ずいぶん窮屈だなぁ・・・と思われるかもしれませんが、先に書いたようにスカウティングは「大河」です。この基本さえしっかりまもっていれば、大変楽しくそれこそ実のあるスカウティングが行えるはずですよ。

 

 是非、もう一度、団の方々とスカウティングについてお話をしてみてください。

 

【2007.04.21 担当コミ】

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 Q4:自分が所属する隊、団以外の支援、奉仕について

 

 同じ団内ではありますが、自分が所属している隊ではなく、他の隊への支援はどの程度関わっていいでしょうか?(依頼があった場合、また依頼がなかった場合どちらについても教えてください。)また、知人の団より、隊とスカウト指導の奉仕・支援の依頼がありましたが、こちらもどのように対応したらいいのでしょうか?(K.S ABVM)

 

 まず、同じ団の他の隊への奉仕について、基本的にはすべきではありません。

 詳しく述べますと、指導者の任命については、団委員会が行います。その際には根拠条文として日本連盟教育規定が適用されます。具体的に言いますと、例えば、ビーバー隊長の任命は3-17,3-18の2つの条文によって隊長として任命するわけです。任命された指導者は、その隊に対して責任を負うことになり、持っているスカウティングの熱意を100%注ぐことが求められます。ということは、他の隊については何の権限も有さないことになりますし、万一その本人の責任で何らかの事故があった場合、極論ですが賠償・共済の対象にはならないことも考えられます。これが基本となるでしょう。

 ただし、団会議で団内の他の隊からの支援要請があった場合、(支援の内容を検討した上で)団家族として助け合うことが必要です。団会議の議長たる団委員長は団委員会の代表として、隊の活動に協力するという任務がありますから、団会議で決定されれば、任命権者としての団委員会の了解は得られたものと考えます。ですから、この場合は、隊への支援は当然可能ですし、もちろん賠償責任の対象となります。

 

 また左腕袖には「団に所属する指導者」の腕章をつけます。日本連盟の規定改正(「規程」になった)により、それまでの団指導者の範囲が、「隊指導者」と「団指導者」分けられました(規程3-2)。「指導者」は、指導者のうち、隊長、副長、副長補等とし、直接スカウトの指導に当たる者、「団指導者」は、正副団委員長と団委員で、団の運営にあたる者です。団という家族は互いに協力し合い、理解し合ってスカウティングを行うことが、スカウト達のよりよい成長につながるものだと思います。是非団会議を開催して、各隊の協力態勢を整えてください 。

 

 つぎに、他の団についての奉仕ですが、こちらについては、奉仕すること自体問題となります。

 指導者としての任命の経緯は前述の通りです。ということは、任命権者の管轄の範囲(ようするに団)を越えた活動はできません。例えば地区コミッショナーという役務がありますが、その任命に当たっては、必ず所属団の団委員長の承認を得ることになっています。これは欠かせない手続きです。指導者は自分の所属する隊のスカウトの指導するために存在します。それが基本です。そしてその本人に余力と能力があるのであれば、地区そして県連という縦系列の組織の運営に参加することはできます。それは団の理解と承認という手続きが必須なのです。しかし、他の団という横系列の他の組織に対してはそれはできません。もし、それをしてしまうと団組織そのものが崩れてしまいます。何故、このような団の組織が規定されているのかを、よくお考えいただきたいと思います。

 他の団の隊への支援につきましては、地区コミッショナーとよく相談の上、それぞれの団委員会の協議で範囲と期間を限定して支援することは可能と思います。

 

 よく軽い気持ちで他の隊やら他の団の活動に参加される指導者がおりますが、上記の理由をよく読んで自重していただきたいと思います。

 

【2007.02.22 担当コミ】

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 Q3:市町村合併後の団の名称について

 

 市町村合併のため、所在地名が変わってしまいました。今の団名にたいへん愛着がありまして、また、合併によって当団創設以後に発団した団よりも後の番号になってしまうことが感情的に受け入れられません。今までの団名を継ぐことは可能なのでしょうか。(K.K 団委員)

 

 趣旨はよく理解できます。確かに、この2年間は合併ブームでした。そのため日本各地で同じような問題が生じていることも事実です。

 そこで、日本連盟から団の名称に関する教育規定の改正が出されました。これは基本的には今までと同じと考えてもらってかまいませんが、その解釈が異ならないように、よりわかりやすい表現に改められたものです。

 その基本は、「将来に入団してくる新規スカウトにも判りやすい、スカウトが自分の団名を通して郷土愛を育められる名称」ということです。

 2-20団の名称

 「団の名称は、県連盟の定めるところにより、現行の行政区の市町村および区名の所在地名を冠し、その地域内における登録順序による番号を付する。

 ただし、以後、市町村および区に区域あるいは名称の変更等の事情が生じたときは、県連理事会の議を経てその名称を変えることができ、その場合、団および体は継続として履歴を引き継ぐ。」

 

 とあります通り、新たな市町村名の団となり、その地域内の、すなわちその市町村名を冠した登録順序で○団という番号が付きますが、必ずしも登録年月日の早い順ではないのです。

 具体的にはA市とB町が合併してA市の名を踏襲しましたとします。A市には4つの団、B町には1つの団がありますが、A第4団はB第1団よりも新しくできた団です。ですが、この規定を適用すると、B第1団が、「A」という市町村名を冠するのは、A第4団よりも後です。したがってB第1団はA第5団という名称になってしまいます。

 しかしながら、同じ合併でも市町村名を踏襲せずに変わってしまった場合については、その新たな市町村区域内で登録順に新たに番号を付することになります。 同じ論理を前者にも適用できないか・・・と言われれば、適用することは出来なくはありません。しかしながら、これを適用した場合、その地域と団(の位置付け)の関係について多大な混乱を生じさせてしまう恐れがあります。地域に密接に関わってこそのスカウト運動です。極力そのようなことは避けなければなりません。このようなケースが生じた場合は、地区協議会やラウンドテーブルでコミッショナーを交えて十分に話し合ってください。

 前文にもありましたが、「将来に入団してくる新規スカウトにも判りやすい、スカウトが自分の団名を通して郷土愛を育められる名称」です。今までの「伝統」は理解できますが、このスカウト運動は、今の、そしてこれから青少年を育てるためのものです。その点をご承知下さい。よろしくお願いいたします。

 

【2006.05.22 担当コミ】

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 Q2:スカウトにとって良き指導者とは?

 

 どうしてもスカウトや他のリーダーとの間に距離を感じます。スカウトにとって良き指導者とはどのような指導者でしょうか?(S.H ACM)

 

 難しい質問ですね。大変申し訳ないのですが、ボーイスカウトの世界での一般論?として述べさせていただきます。

 まず、スカウトが100人100様であるのと同じく、求められる指導者像も多様です。それは個性として大切でまた必要なものです。これを無くしてはスカウティングとは言えません。それを踏まえた上で、中村知氏(ちーやん)は「公分母」という表現をしていますが、指導者として必要なことと言うか、持ち合わせるべき共通の在り方・精神があります。それは「スカウティングの目的の理解」であり、「スカウト育成の情熱」であり、「ちかいとおきての自らの実践」です。そして、もうひとつの大切なことは「自己研鑽を続ける」とことです。

 

 指導者はその名のとおり「道を指して導く者」です。スカウトの良き資質を伸ばすということは、100人100様のスカウト達の個性(キャラクター)をそれぞれの適性を伸ばし、不足を補い、悪い個性を抑えながらの地道で長い関わりです。そこで大切なのが、指導者がどれだけの道を示すことができるかということです。10しか持たない指導者は彼らが成長するチャンスを10以上は与えられません。100しか持たない指導者は100以上のチャンスは与えられません。では、いくつ持てばいいのでしょう? その数には限りがありません。更に、それは時代とともに変化していきます。そうなると「数」というものさしでは語れなくなってしまいます。ではどうすればいいのでしょう。それは、自分の内にある「スカウトへのチャンス」という器を常に満たして提供していこうという指導者の意識と姿勢と取り組みということになります。そうです「自己研鑽」です。それを続けることが1人の指導者として皆からの信頼を得られるもととなるのではないでしょうか。

 これは、決して難しいことではありません。日頃の生活のいろいろな場面でそれを意識することで、また視線を変えてみることでできることなのです。まずは「実行」してみる。そして日々積み重ねていく・・・・・これが大切ですね。(=「実践躬行」)

 「今すぐやる」・・・これがスカウト精神のひとつです。

 

【2006.04.12 担当コミ】

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 Q1:記章のつけ方について

 

 記章のつけ方について詳しく書かれたホームページを作ってもらえると便利です。活動していていつも思うことなのですが、記章のつけ方に関しては、あいまいな部分が多いので、しっかりとした分かりやすいものを作っていただけないでしょうか。(D.S ASM)

 

 早速、準備にとりかかります。 少々時間をください。

           ↓

 「ハウディスカウト」>>>「WEB保護者の会」コーナーに「制服・記章」のページを作成しました。そちらに詳しく掲載しました。

【2006.04.06 担当コミ】

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