キャンプの夜の楽しさは、静寂な闇につつまれた大自然の中に燃えるキャンプファイアに極まるといってよいでしょう。
隊全体で行うキャンプファイアも、少人数で囲むたき火も、各々火を通じてのつどいの場であり、楽しさと親しさを与える有意義な夜のプログラムであります。人の心のふれあいにより、宗教的な心情、グループの協同精神を高め、友情と豊かな情操を育てる極めて大切な場です。
カブスカウトのキャンプファイアは、親睦、団らんの営火と言ってもよいでしょう。しかし、親睦、団らんだけでなく、燃えさかる一点の炎にカブスカウトの目が一斉に注がれる時、その火は不思議にカブスカウトの心を一つにする力を持っています。昼間の動的なプログラムとうってかわった静的な夜のプログラムの中で、キャンプファイアが楽しく、かつ厳粛な一面を持ち、単なる親睦や団らんの場だけでなく教育的価値のあることを、少なくとも指導者は見逃してはなりません。
さらに、ボーイスカウトのキャンプファイアの助走路としての意味もあり、光りという神秘的な中心がある以上、その開会や閉会には厳粛な雰囲気をかもし出すことを考えてよいと思います。
ときには、室内における模擬営火の活用を考えてもよいでしょう。中央の薪を数段積み、中に工夫して電気やローソクを立て、その火を囲んで行ったり、薪だけを数段積んで、明るい場所で行うことも考えられます。
キャンプファイアはキャンプ期間内に1度だけではありません。毎晩でも、1日おきでもいいのです。必要に応じて他キャンプ切なテーマを設定して実施しましょう。
1. キャンプファイア意義
(キャンプファイアに期待されるもの)
2. キャンプファイアの種類
A. 親睦的なキャンプファイア(ボンファイア)
B. 話を中心としたキャンプファイア(カウンシルファイア)
C. 儀式的なキャンプファイア(セレモニアルファイア)
が、一般的なものです。キャンプファイアの目的によって、このいずれかが強調されることになりますが、霊感的なものであると同時に、楽しいものでなければなりません。しかも、リーダーのよき指導によって、プログラムには、歌やスタンツ、話・踊りなどが盛り込まれ、感動に結びつくものでなければ、その教育的効はあがらりません。
3. 運営上のポイント
カブスカウトが行うキャンプファイアには、カブの年齢に配慮することが必要となります。
ⓐ点火:
ⓑ開会:
ⓒ出し物:
が如何にうまく構成されるかどうかにかかっている。キャンプファイアの目的に合った5つの「S」
のバラエティーが大切。
ⓓ終了:
ⓔ時間:
ⓕその他:
ⓖ注意:
このように、我々人間は「火」に対して精神性を見い出してきました。それを最大限活かして、スカウト達の情緒を育てる場がキャンプファイアなのです。
残念なことに、そんなキャンプファイアの「火」をゴミの焼却場と考えている輩がいます。キャンプファイアの最中はもちろん、スカウトたちが寝床に帰り、熾火が残るだけとなったときも同じでなのです。最後まで「神聖な火」として扱うことが必要です。こんな指導者の精神・態度は、いつのいつでもその姿勢に表れるものです。
紙くずやたばこの吸い殻をキャンプファイアで燃やすことは、指導者として厳に慎まなければなりません。言い換えれば、そんな者は指導者としての資格がないということです。
以上、キャンプファイアについての基本的なことを示しましたが、実施にあたっては指導者として、目的、種類、場所、時間、役割、プログラムの内容、演出、全体の注意事項等をよく考慮に入れて実施することが大切です。なお、消防署、営林署等関係機関への連絡を忘れないようにしなければなりません。
○キャンプファイアの役割と分担
少人数の親睦を目的としたキャンプファイアでは、特に役割を分担しないで進行した方が自然にできる場合もありますがが、ある程度のキャンプファイアになると、特に儀式的な要素を加味した場合などでは、営火長、進行係、営火係等を決めて運営した方がすっきりしたキャンプファイアができます。
もちろん、これらの係はその大きさや種類によって省略したり兼任したりしてもかまわないのです。
◆営火長(Fire Chief)
◆進行係(Yell Master)
◆営火係(Fire Keeper)
◆準備・後始末係
○演じてはならないもの
○場所の選定