現代の子供たちには、生命を尊重する心、
他の者への思いやりや社会性、論理感や正義感、美しいものや自然に感動する心など
「生きる力」を育む心の教育の必要性が指摘されています。
子供の教育に関して言えば、とくに青少年問題が社会の関心を集めている今日、
子供達をいかに、より良い方向に導いていくか、という点において、
その教育は地域に目が向けられてします。
現代を生きる子供たちにとって
ボーイスカウト活動の果たすべき役割はきわめて大きく、
社会の期待に応える責任と、使命があると考えます。
そして、ボーイスカウトの様々な活動を通して
地域社会での社会奉仕体験や自然体験などを経験させ、
青少年の健全な心と体の育成に貢献できればと思っています。
それでは、これからボーイスカウト運動を詳しくご紹介していきます。
ボーイスカウト運動って?
自立心のある健全な青少年の育成を目指した、世界的な社会教育運動です。
この運動の目的は「青少年が個人として、社会の一員として肉体的、知的、情緒的、社会的、精神的資質を十分に発達させる」ことで、成人の援助によりそれを成し遂げ、社会人となって、より良い世界(社会)作りに貢献することです。
もっと具体的に言うと
・自主性を持った‥‥自分で決定を下して人生を切りひらく人間
・責任感の強い‥‥‥自分が引き受けたことを責任を持って成し遂げるため、決断を下してなおかつ
結果も予測することができる人間
・明確な価値観を持っている‥‥しっかりとした価値観を持ち、それに従って生きるよう努めなが
ら、さらに自分を高める姿勢や理想を持ち続ける人間
このような人間を世の中に送り出すことです。
ボーイスカウトの特長と言われる、キャンプやハイキングなどの野外活動、募金や清掃・慰問などの奉仕活動、楽しく実践しながら取り組む進歩課目、班や組といった小グループでの活動等は、これらを身につけるための手段として行われています。
この運動は、1907年にイギリスのベーデン-パウエル卿によって始められました。というよりは、ベーデン-パウエル卿は「スカウティング・フォア・ボーイズ」という本を著し、少年達の旺盛な冒険心や好奇心をキャンプ生活や自然観察、グループでのゲームなどの中で発揮させ、「遊ぶ」という子どもの本能を通して少年たちの自立心や、協調性、リーダーシップを身につけさせようとしました。そして、その本を読んだ少年たちが、自らボーイスカウトの隊を作り活動を始めたのです。それがボーイスカウト運動の始まりです。ベーデン-パウエル卿はその少年達に要請に応えて表舞台に出てきたのです。
個人的関与
自らの人生に責任を持つ
いま、行動する
自己学習を進める
自分の理想的な成長に自発的に関わる
権利を主張し義務を負う、個人的目的を設定し、障害を克服する。
創意工する能力を発達させ、いつでも責任を持つ
責任、約束、技術の修得、個人の発達、他の人との関係を経験する
実行力と責任感を持った有能な成人になるため、今、自主、責任、実
行、自由、支援することを続ける
ボーイスカウトは教育活動です
スカウト活動が、他の社会教育団体と違っているのは、しっかりとした教育体系を持っていることです。そして、スカウトが「自らの意志」で参加しているということです。
スカウト活動は、参加した青少年に対して「自分はいかにあるべきか」を求めています。これは結果として(後で)こうなったではなく、今、この瞬間瞬間に自分はどうするべきかを考え、それに対して行動を起こすと言うことです。そのひとつひとつの積み重ねが、人を育てる上で非常に重要と捉えているからなのです。
そのために、スカウトたちは活動を通して次の4つのことを「習慣」として身につけていきます。
です。
スカウトの心意気 「日日の善行」
ボーイスカウトが、ボーイスカウトとして存在するのは、上記のことだけではありません。私たちのこのボーイスカウト運動が掲げるスローガンは「日日の善行」です。日々と書かずに日日と書くのは、毎日一日一日を大切にしていくという気持ちからです。このように、ボーイスカウトはその組織全体として、「善行」ということをその基盤に置いています。
「善行」というものは、いろいろな形であらわされますが、特に重要視しているのは「ココロ」を「形」で表すということです。私たちには「スカウトは感謝の心を持つ」という行動・生活の指針(それをスカウトのおきてといいます)があります。感謝は「ありがとう」「おかげさまで」ということばでよく表されます。悪かったことは自分のせいと反省し、良かったことは「ありがとう」「おかげさまで」と自然や目に見えないものへの畏敬の念を抱いてスカウティングを行っているのでしょう。そんな嬉しい感謝の気持ちは、自分が受けるだけでなく、自分がだれかに何かをすることで、その相手が「同じような気持ち」をいだいてくれたとしたら、自分の心には、あたたかく、またさわやかな気持ちが芽生えるのではないでしょうか。それは「おもいやり」であり「優しさ」である特別な気持ちなのです。
そんな特別な気持ちになれる実践のチャンスが、ボーイスカウトでいう「善行」なのです。無理をして行うのではなく、言われたから行うのでもありません。自分の心が満たされることが嬉しくて行っているのですね。相手と私と「win-win」のつながりなんですね。
槇原敬之さんの「 僕が一番欲しかったもの」の歌詞がそれを見事に言い当てています。
その歌詞は
僕のあげたものでたくさんの人が幸せそうに笑っていて
それを見た時の気持ちが僕の探していたものだとわかった
今までで一番素敵なものを僕はとうとう拾う事が出来た
で結ばれています。
スカウトの心意気 「そなえよつねに」
日日の善行だけでなく、ボーイスカウトには「そなえよつねに」というモットーがあります。
それは日本だけではなく、多くの国でスカウトのモットーであり、100年以上も変わることない精神ででもあります。
いつ何時どんなことが起こってもいいよう、そして自分だけのためではなく、他の人も助けるよう、備えてこそ。その「そなえよつねに」の「そなえ」には2つあると言われています。
ボーイスカウトのバイブルとも呼ばれている「スカウティング・フォア・ボーイズ」という本には
「スカウトのモットーは "そなえよつねに" であるが、それは自分の義務を果たすための準備が、精神的に
も肉体的にもいつでもできているということだ。
精神的なそなえよつねにとは、いつも命令に従う訓練ができていること、また、起こりそうな事故、
ありそうな事態をあらかじめ手落ちなく考えて、そのような時に出会ったら、その時にうつべき正しい
方法を知っていて、それを実行する心構えがあることだ。
肉体的なそなえよつねにとは、適切な時に正しい行動がとれるように、強くて敏活に動ける体にして
おくこと、そして実際に正しい行動をすることだ。」(原文のまま)
今日も私たちボーイスカウトは「そなえよつねに」の精神で心と体を鍛えて、他の人の役に立てるように、きちんと役に立てられるだけの「知」と「技」を身に付けるべく日々の生活を送っています。