日本ボーイスカウト茨城県連盟
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 Q14:仮入隊員はカブの制服を着てもいいのでしょうか?

 

 カブ隊の隊長をしています。どこの隊でもりすの道を履修しているスカウト(仮入隊員)は制服を着ていません。しかし、教育規定9-1では「加盟員は制服を着用する」とあり、教育規定3-43では「仮入隊して加盟登録ができる」となっています。つまり、加盟登録をすれば制服を着られるということなのではないのでしょうか? (T.I CM)

 

 確かに、日本連盟の教育規程にはそのように書いてありますので、解釈としては間違いではありません。実はこのような規定類や法律は、きちんと読み込まないと正しい結論が導き出せないのです。なのでちょっと面倒ですね。

 「加盟員」になることと「スカウト」になることは、別なことであると考えてください。(ちょっと変な例なのですがすみません)


【加盟員になること】
 さて、加盟登録について詳しくみていくと、教育規程2-2-1に「本連盟に加盟しようとする者は、定款に基づく本教育規程により、加盟登録を行い、加盟員となる」とあります。ですから、カブに入りたい子供は、教育規程3-43で「随時、カブ隊に仮入隊して加盟登録することができる」とあるので、登録手続きを済ませ受理された段階で加盟員となるわけです。
 手続きでは、所属する団・隊を指定することになっていますから、この段階で「入隊式」によってカブ隊の一員となります(この段階で保険の対象者となります)。

【スカウトになること】

 しかし、教育規程3-44に「『りすの課程』を終えた少年は、入隊式(やくそくの式)においてカブスカウトの『やくそく』をし、カブスカウトとなる。」とあるように、入隊式(やくそくの式)で「やくそく」をしていない限り「カブスカウト」ではありません。

 つまり、まだカブ隊にいる(ただの)「少年」なのです。カブスカウトではありませんので、もちろん組や隊の活動にスカウトとして参加することはできません(あくまでも建前論)。

 ここで大事なのが「カブスカウト」になっているか、なっていないかということです。教育規程施行細則9-4-1に「カブスカウトの正装」の図が出ています。つまりのこの服装(制服+記章)を着用できるのは「やくそく」をして「カブスカウト」になった者だけなのです。同様に教育規程に掲載されている「カブスカウト」とは、やくそくをしたカブスカウトのことであって、カブ隊にいる「少年」のことではないのです。

 

 ですから、少年が「りすの道」を完修したならば(通常は1〜2週間程度で完修できる)、直ちに入隊式(やくそくの式)を行い、やくそくをして、制服を着用して、正式なカブスカウトとして迎え入れましょう。

 

【ついでに「りすバッジ」について】

 平成27年4月より、カブスカウトの進歩制度が改正されたことに伴い、「りすバッジ」の形状、扱いか方、つけ方が変わりました。

 従来は、「りすの道」を履修している少年が、その履修期間に「りすバッジ(旧の円形のもの)」を安全ピンで服に付けていました。つまり「履修中」につけていたのです。

 新しい制度では、「りすの道」の履修期間に服に付ける、旧・りすバッジのような記章はありません。カブ隊に入隊して、やくそくをして、カブスカウトになったときに初めて、「りすの道」を完修したことを照明する「(新)りすバッジ」を制服の所定の位置に着用します。「うさぎ」「しか」「くま」についても、履修中を示す「ステップ章」から、完修したことを示す「進級章」に位置づけが変わりました。

【2016.04.04 担当コミ】

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 Q15:月の輪で初級課目の履修? 認定? 班長はどう関わるのですか?

 

 どうにも納得がいきません。「上進章」が「月の輪」になって、ようやくカブ部門の進歩課程が正常化するかと思ったら、月の輪でボーイ部門の初級課目を履修する・・・とのことです。(中略)どのようなな形で月の輪を行ったら良いのでしょうか? また、履修した初級章課目は誰が認定するのですか? 更には、今までボーイ隊で行われてきている「班長」の認定及び班長会議の承認はどのように考えているまでしょうか? 「班長が班員を教える」という班制度の大切な基本の1つが崩れてしまっています。(H.F SM)

 

 そうですね。上進時期を9月から4月に遅らせたために、初級スカウトの即席栽培をしなくなって、無理矢理「月の輪」に組み込んだ・・・っていうのが本当のところなんでしょうかねぇ・・・。

 そうは言っても、いくら悪法でも通ってしまったのであれば、誠実なスカウターとしては、それを守らなくてはなりません。
 月の輪リーダーハンドブックを見ていても、スカウティングを良く理解していないプログラム委員が執筆をしていると思われ、月の輪の本筋からどんどん遠ざかっていくので、参考にはできません。ですから、ここでは、本来のスカウティングの主旨に従った形で、「月の輪」についての提案をさせていただきます。

 

●ボーイスカウトの進級課目 初級

 

 入隊したボーイスカウトは、ボーイスカウトバッジを着用し、次の項目を履修した後、「ちかい」をたて、所定の手続を経て、初級スカウトとなる。

 1. 基本

  (1)「ちかい」と「おきて」が言える。その上で、隊長と話し合う。

  (2)「スカウト章」、「モットー」、「スローガン」の意味を説明できる。

  (3)日本の国旗の正しい様式を知り、集会で掲揚柱に掲揚する。

  (4)「連盟歌」を歌える。

  (5)普段の集会で必要なもの(訓練用具)を知り、携行する

  (6)スカウトサイン、敬礼、スカウトの握手ができる。

 2. 健康と発達

  (1)体温と脈拍を正しくはかることができる。

 3. スカウト技能

  (1)自分の体や身近にあるものを用いて簡単な計測を行う。

  (2)集会で使う身ぶり信号(気をつけ・休め・すわれ・別れと集合隊形の各種サイン)、笛の合図を

    覚える。

  (3)次のなわ結びを実際に行い、使いみちを知る。

    ①本結び  ②一重つぎ  ③ふた結び  ④もやい結び  ⑤8の字結び

 4. 善行

  (1)集会などで行う社会奉仕活動に積極的に参加する。

 5. 信仰奨励

  (1)隊で行う「スカウツオウン・サービス」に参加する。

 6. 班長会議

 (1)初級スカウトとして進級することを班長会議で認めてもらう。

 

 これが、H27.4.1に改正されたボーイスカウトの初級課目です。この課目をボーイ隊に上進する前に履修するという意図については特に問題はありません。
 問題は、上の朱書きの部分です。「月の輪」は、あくまでカブスカウト活動の一環として行われます。決してボーイスカウト活動で行われるものではありません。

 つまり、カブスカウトの活動で、ボーイスカウト部門の初級課目を履修していくという、進歩制度や班制度を全く無視した上で、この朱書き部分を実行するとなると2つのことを整備する必要があります。

  1つ目は、指導体制・・・「誰が」「どのように」「どのような体制で」指導するのか

  2つ目は、ボーイ隊の活動に参加しなければ履修できない課目に、どう対応するのか

です。

 

 1つ目の「指導体制」。まず、いきなりですが、これには「1.基本(1)」で「隊長」、そして「6.班長会議(1)」で「班長会議」が関わります。いずれもボーイ隊の組織です。この「月の輪」の指導体制では、この部分が確保されていません。

 月の輪は、原則として専任の指導者である「月の輪リーダー」を置いて指導・運営をします。しかし、実際には専任指導者を置くことが難しい場合もあり、その場合は、カブ隊長とボーイ隊長のが協議し、双方の隊の隊指導者が兼任することも可能となっています。いずれの指導者も、スカウト運動における指導者として「ちかい」と「おきて」についての基本的な理解と、スカウティングについての知識・技能・経験を有していることが求められます。しかし、これらのリーダーは、「隊長」でも「班長会議」でもありません。
 そこでどうするのか、

  「ボーイ隊長は、上進してくる月の輪スカウトについて、その履修状況や取り組みの様子をボーイ隊の

 「班長会議」で伝えて、班の仲間として受け入れさせる必要があることから、月の輪スカウトのことを良

 く知り、励ますために、月の輪スカウトと面談をするようにします。できるならば、月の輪集会にボーイ

 隊の班長に参加してもらい、ボーイ隊と同じように班長が初級課目の考査を行えるようにしてください。

 ボーイ隊においては、進級課目の細目の考査・認定は班長の大きな役目になっています。このパトロールシ

 ステムはボーイ隊の大きな特徴のひとつですから、できる限り同じような環境で行うことが望まれま

 す。」

これは新カブ隊長ハンドブックの一節です。こうせざるを得ないのです。つまり、ボーイ隊の指導体制を月の輪組に持ち込まないと、一つも解決しないのです。(当たり前ですよね。ボーイ隊のことをやろうとしているですから・・・・。)

 

 「月の輪リーダーにボーイ隊長や班長会議の権限を委譲すれば解決だ」という方がいるかもしれません。しかし、それは単なる対症療法であって、根本の解決ではありませんし、そのスカウトがボーイ隊に上進した後、この歪なやり方から、正当なやり方に是正・矯正しなくてはならないという、意味のない無駄な取り組みをしなくてはならなくなるのです。

 2つ目の「ボーイ隊の活動に参加しなければ履修できない課目」については、月の輪の期間(1〜3月の冬季)であっても履修は可能ですが、今回「くまの課程」の修得課目に新設されたボーイ隊活動への参加で体験したのであれば、その体験を利用して、「なぜ、この課目があるのか、その意図を理解させる」ことで、認定しても良いと思います。

 そのためには、前述の「いずれの指導者も、スカウト運動における指導者として「ちかい」と「おきて」についての基本的な理解と、スカウティングについての知識・技能・経験を有していることが求められます。」が担保されていなければなりません。

 

 このように、ボーイスカウトの初級課目を履修する時機は、「ちかい」と「おきて」、スカウト精神、そして新たなシステムとして体験するボーイスカウトの進歩制度への取り組みへの第一歩となるとても大切な時機なのです。

 

 進級課目が、単なる「やればいい課目」ではなく、「なぜ、この課目があるのか、その意図を理解して取り組み、答えを導きだす」のが、ボーイスカウトにおける進歩制度であり進歩課目の位置づけであり意義です。そして、その課目に対して「現在」だけではなく「将来・未来」に亘った「広く、深く、高く、遠く」の視野と展望によって、スカウトを導くのが隊長・副長の姿であり、大きな役目なのです。

 

・・・・熱くなってしまいました。

【その後の情報 2019.06】

 令和になって、VSとBSの一体化の話が出てきました。これによるとBSは、小学5年生からとなります。

 では、小学5年生になったら直ぐに初級スカウトになるのか・・・というと、そうではないのです。上記の問題点がここで解決されました。小学5年生でボーイ隊に上進したカブスカウトは、入隊式においてボーイスカウトになります(カブスカウトを経験しないで入ったスカウトも)。そしたら、その時点から「月の輪」となって、初級課目の履修を開始するとのことです。それで、9月頃に「ちかいの式」を行って、そこで初めてスカウトになる・・・ということです。

【2016.05.06 担当コミ】

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